各地で異なるエビタイ釣り、その理由には、海流の違い、船の流し方の違い、さらには文化の違いまで関わってきます。ここではいくつかのパラメータによる比較により、各地のエビタイ釣りの特徴を洗い出してみます。

対潮流性

 潮が速い場所、よれた場所でどれだけ通用するかというパラメータです。この点で文句なしに優れているのはビシマ釣り。まさに急潮の中で鯛を釣るために考えられた仕掛です。3段階に分けてみて、Aがもっとも優れているもの、Cは悪い潮方に弱いものです。 言い換えて、棚の合わせやすさと思ってもらっても良いです。

立ち取りの有無

 餌の着底がはっきりわかるか、そうでないかの違いです。これはわかるかわからないかで2つにひとつであるかないかのどちらか。

難易度

 その釣り方が難しいか簡単かを三段階に分けてみました。潮の条件に関わらず初めての人でもとっつきやすいのはA、逆に習得まで時間を要するものはC。これは主観が入るパラメータです。

もうちょっとあるかもしれませんが、今回はこの3つで比較してみます。結果は以下の通り。

釣り方 対潮流性 立ち取りの有無 難易度
鴨居シャクリ B なし A
竹岡シャクリ C なし A
大原シャクリ C なし A
鴨居立て釣り B あり C
大原ビシマ A あり B
洲崎シャクリ C あり B

この表からみていただきたいのは、それぞれの釣り方の特徴のばらつきです。対潮流性では、30号の重いオモリを使う鴨居シャクリや、二丁オモリを使う立て釣りが優れています。立ち取りが「あり」の釣りは、自分で餌の位置をコントロールでき、積極的にマダイを食わせる釣が可能です。

では、野毛屋スタイル2005を、この分類だとどのようになるかを考えてみます。

釣り方 対潮流性 立ち取りの有無 難易度
野毛屋エビタイ2005 B あり A

野毛屋スタイルがどのような釣り方であるかは、次章で解説します。

 

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