さて、野毛屋スタイル2005のメリット/デメリットを考えてみます。

メリット1 − 底の状態を動的にトレース可能

 春のノッコミが終わったマダイは底の餌を追うようになります。第三海堡や鴨居大根のマダイポイントは、潮が速いのが特徴。底の起伏もあることはあるけれど、それとよりも潮によって糸がふけて、道具から底から浮くのはいかに察知するかが大切です。

 テンビン釣りでは、中オモリ(30号テンビン)を頻繁に底に落として、立ちを確認してからハリス分あげます。この操作はときに餌取りの攻撃の対象にもなるし、マダイが食ったときに察知できない「隙」を生み出すことになります。

初めての人には船長が丁寧にコーチング。勇治船長がグラサンかけるとみのもんたになります(笑)

 鴨居の立て釣りはこの点、常に底がわかる優れた釣法ですが、野毛屋スタイルは立て釣りの良いところをそのまま取り入れています。

メリット2  − 竿を使うため、大きな誘いが可能

 従来の手釣りは、立ちを取るためには適したスタイルですが、反して誘いが入れにくい、というのがデメリットとして挙げられるでしょう。つまり、道糸の操作幅は人間の腕の長さなので、たかが知れているわけです。対して、竿を使えば2m以上の長さがかせげますので、道具に大きな動きを与えることが可能です。

メリット3 − 最初の合わせが効かせやすい

 野毛屋スタイルは長竿(といっても2.4mi以上)を使うと効果的です。これは合わせを効かせやすい、そして大鯛が掛かった場合に竿でためやすい、といった理由があります。

 以上、思いつくメリットを挙げてみましたが、ではデメリットは?

デメリット1 − 小型に弱い

 テンヤが大きいということは、小型相手には針ガカリしにくいというデメリットになっているようです。夏から秋の小鯛シーズンに数が伸びないということがあります。しかし、これは勇治船長も判った上で甘んじているように思えます。勇治船長のポリシーは「活きエビを使う釣りなんだから、常に大型を狙う!」というものです。小型の数釣りであれば、ウィリーを使ったコマセシャクリ釣りの方が有利で、黒川俊之船長が出しているウィリー船との棲み分けという意味もありかもしれません。

デメリット2 − 専用ロッドがない

 もうちょっとメジャーになれば…。しかし、今のエビタイ人口では大手メーカー製品は期待できそうもありません^^;;。

デメリット3 − それでも二枚潮には弱い

 テンヤを重くして、中オモリを軽くすることにより、少しくらい潮方が悪くても底を叩くことが可能になりました。しかし、それでもきつい二枚潮になると太刀打ちできないこともあります。東京湾口の早潮に耐えるには、もうちょっと仕掛に工夫が必要かもしれません。

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