古くは江戸時代から行われているという、エビタイ釣りの中ではもっともトラディッショナルなスタイルが鴨居の立て釣りです。現在でも数は少ないですが、鴨居港には一本釣りの漁師が職漁で鯛を釣っています。

  釣り方はテンヤの着底を指先で感じ取り、底から2〜3ヒロの間をテンヤを上下させてマダイを誘います。スッ、スッと連続的に3ヒロほど手繰り、50cmくらいの間隔でストン、ストンという感じでテンヤを落としていきます。

 立ちは仕掛の軽重差によって取ります。落としていく操作の中で、点やが底に着くと仕掛がテンヤ分軽くなるので、指先でその差を感知します。言葉では簡単ですが、実際には潮が速かったり、二枚潮の場合は立ち取りにはそれなりの熟練を要する釣りです。

 仕掛けは人によって微妙な違いがありますが、図は私が使っている二丁オモリです。2個の中オモリが、道糸とハリスの直進性を保ち、テンヤの着底をわかりやすくする効果があります。また、指で道糸を弾いて仕掛けを躍らせ、テンヤの着底の有無を判断する「踊り」を感じることも用意です。

 この釣り方のメリットは、テンヤの状態を常に感知できるので、餌取りに強いこと、棚が正確に取れることが挙げられます。また、テンヤの上下の動きは鯛へのアピールにもなります。底の起伏が激しい場所、根のきつい場所を攻められることもこの仕掛の特徴です。

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