意外にファンが多いカイワリなのだ

 カイワリ、店では滅多に見かけることない魚です。私も市場で見たのは一度だけ、なぜかあまり出回らない魚なのですが、ツリオヤジの中にはこの魚のファンが結構多い。キュートなルックスもさることながら、一番の魅力はその味でしょうか。しゃっきりとした歯応え、脂が乗っていて、それでいて癖のない上品さ。刺身でも焼いてもフライでもなんでもOK。

 カイワリの名前は「貝割れ」から。カイワレダイコンと一緒ですね。姿が貝を割ったような形をしていることから付いた名前です。アジ科の魚で、親戚にはシマアジもいます。シルエットが似ているヒイラギはヒイラギ科の魚なんで赤の他人です(^^)。

 11月4日、吹き続いていた西風で予定のシマアジには行けず。代わりの釣りものを探しているときに、野毛屋のハナダイ船でカイワリが混じっているのを思い出しました。前週はトップがなんと80枚を越える好調さ。これはチャンスだと思い、風の中を金沢八景にGO。

 実は今年はけっこうカイワリの魚影が濃いなと思ってました。春に乗ったときにも10尾ほどのカイワリが上がりました。しかし、春のカイワリは脂が抜けていて味はいまいち、やはり夏から秋にこの魚は美味しいです。

 最初にカイワリを釣ったのは葉山のマダイ船でのこと、もうずいぶん昔ですが、マダイの外道にかかってきたかわいい魚をみて、船長に「これ美味しいかな?」と聞いたことを思い出します。「そらうめえよお、持ってかえんなよお」、帰ってから刺身と塩焼きにしてみると、その美味しさにびっくり、それ以来、外道に混じると大事にクーラーに入れて持って帰る魚となりました。ただ、通常はマダイ船ではあまり数がでない。1,2尾ぽつんと混じるというのがよくあるパターンでした。

 さて、そんなこんなで思い入れの強いカイワリなんですが、この日は下浦沖で開始からほぼカイワリ入れ食い^^。本命がハナダイということを忘れて、ひたすらカイワリ釣りに精をだしました^^;。その結果が、下の写真の23日のカイワリです(本命ハナダイは4枚にマルアジ2尾のオマケつき)。

まずは刺身、5枚に下ろして背身は手で皮を引いて、腹身は包丁で引いて柵の完成。小さい身なので、これをそれぞれ3切れくらいに引きます。そして、塩焼きはお約束。これで家族4人分で8尾消費。

まだまだたくさんあるのは干物。これがまた旨いんだ。朝ご飯にカイワリの干物、そして味噌汁、幸せになれます(^^)。
開き方は自己流なんですが、変則片袖開きにしました。通常の片袖開きは胸ビレの後ろから刃を入れますが、体型がまるっこいので、これだとうまく開けない。なので、鰓から頭に刃を入れ、腹には先に切れ込みを入れておきます。そうするとうまい具合に開けます。まあ、写真をみてもらった方が早いですね^^;。

朝食にも、酒の肴にもぴったり合う干物です。

いつの間にかシマアジにいけなかったことは忘れてしまいました。ミニシマアジ(カイワリ)でほぼ満足しちゃった。 今週末はシマアジにいこうか、もう一度カイワリにいこうか思案中です^^。

Topへ

2002.11.07 Yasuhiro Ii

inserted by FC2 system