釣りの楽しみとは何か?という壮大なテーマを語る(笑)

 稚拙なこのエッセイ(だったんか?^^;)にも数々の御意見、御感想をいただき、調子に乗って選んだのがこのテーマです。まあ、手前の楽しみの紹介、という程度のものとして読んでください^^;。

 釣りといっても古今東西幾多の釣りが存在して、それぞれの楽しみは別かと思います。ということで、ここでは沖釣りに限定した話です。

 釣り人の二大欲望というのは、「大きいのが釣りたい」「たくさん釣りたい」この2つじゃないかな、と思います。この2つに続くのが「美味しい魚を食べたい」ではないでしょか?他にも「緊張感を味わいたい」「引きが楽しい」「仕掛けの工夫がたまらん」「難しいから楽しい」「船に揺られるのが好き」「潮風と紫外線命」「船上のビールが最高」「船長との人間関係が楽しい」「あそこの女将さんに会いたい^^;」など、たっくさんの楽しみ方がありますね。

 「大きいのが釣りたい」てのは誰でも潜在的に持ってる願望じゃないかと思います。これを追求しているのが、いわゆる大物師と呼ばれる方々。1cmでも大きく、1kgでも重く、自己記録の更新、船宿記録の更新、日本記録の更新、と数値目標は天井知らず。狙うモロコは50kg、マダイなら10kgてとこかな。森永エールチョコレートのごとく、大きいことはいいことだ、の世界です。
 小さな大物というのもいますね。シロギスの30cm級、カワハギの35cm級、アジの60cm級、ハナダイの2kg級、などなど。これは、狙って釣れるもんでもないんで、目の色変えて追いかけるって人はあんましいないみたいで、どっちかというとほのぼの系の大物狙いというとこでしょうか。

 「たくさん釣りたい」。これは競技的な楽しみが多い気がします。技術の向上努力が表われやすい目標とも言えるんじゃないでしょか。カワハギ、シロギス、ハゼなどの浅場小物やイカ類には、数釣りにこだわる人が多いです。

 この2つ、大物派、数釣り派が、二大勢力なんじゃないでしょか。いわばアメリカとロシアみたいなもんかな。
「したら、おまえはどっちや?」と問われると、これがどっちでもないんです。
第三勢力の「美味しい肴が食べたい」派。魚種や釣り方は様々、いわばEUみたいなもんでしょか。

 このEUツリオヤジの特徴って、季節とサイズへのコダワリが異常に強い人が多いです。型でいうと大きくてもダメ、小さくてもダメ、食べて一番美味しいサイズを追い求める。マダイなら美味しいのは800g〜1kgくらいの♀。このサイズが身質がきめこまかくて、造りにした時も美しく、食べるには最高です。5kgのマダイよりも1kgの5枚釣る方が嬉しい、そういう人です。アジもでかいのはダメ(一部の海域は除く)、22,3cmの中アジが最高。ヒラメは2kg以下、スルメなんて刺身にしない、刺身にするならムギサイズ。ヤリイカなら♀のチビヤリ。ハナダイなら25cm前後、ワラサは脂のりすぎイナダがいい、 などなど。非常にウルサイです。しかも、人によって微妙に好みが違う。(ここに挙げた例は私の好みです^^;)

 季節については。イサキは初夏まで、ヤリイカは冬、フグは冬、イナダも冬、マゴチは夏、マダコも夏、 アジは初夏から夏、ヒラメは秋、フグは冬だけど初夏には白子を狙う、などなど「旬」へのコダワリが強いです。

 さらに、場所へのコダワリがあって、マダイは〓〓が一番旨い、イサキは〓〓しかない、、アジなら〓〓にとどめ、タコは〓〓じゃなきゃダメ、などなど、とてもおおっぴらには書けない^^;ほど局地的に味にコダワリます。逆に、コダワリが薄いものは、魚の数。その日の晩酌の分があれば満足、次の日の晩酌の分があれば大満足、というところです。

 と、書いている私自身がEU的ツリオヤジなんで、ここらへのコダワリは自分自身が非常に強いわけです。

 釣りって、極論すると「コダワリの趣味」って言えるのかもしれません。味にコダワル、大物にコダワル、数釣りにコダワル、など、いろんなコダワリが見えて、それがそのツリオヤジ自信の性格を表しているところなんかもあったりして、端から見るとかなり面白い人種かな、なんて思います。しかし、コダワリが強い人の釣りには、一種の美学を感じて、わたしは好きなのでありました。

 食べて美味しい釣り、にコダワリを見せる私なんですが、ひとつ例外があるんですね。それが「てえ」。どうもこの魚だけは、食べる以外の欲望が渦巻くことがあります。なんでなんか自分でもわからん。もしかしてわたしの前世がエビだったのかもしれない。それくらい、てえは大きいの釣りたいと思うし、数を釣りたいと思います。

 コマセ釣り、ビシマ釣りなど、釣り方も節操なく狙うし、食べて美味しくない2kg以上の型でも狙う。まったくEUツリオヤジのコダワリから外れています。理由を無理に探すと、釣り自体が面白いからかもしれないですね、引きは強いし、工夫もいるし、技もいる。でも、それだけなら他の魚種でも代用できる釣りがあるんです、それでも「てえ」を釣りたい、と思うときがしょっちゅうあります、不思議だ^^;。

 と、手前の釣りの楽しみを並べてみました。なんか自己紹介文みたいになってしまいましたが^^;。さて、貴方の沖釣りの楽しみとコダワリはどこにありますか?

2001/5/22 Yasuhiro Ii

inserted by FC2 system