イカエンジョイの総合ポイントではNo.1かもしれない伊豆のアカイカ

 アカイカ、この呼び名が複数種類のイカにあてはまることは、以前に書きました(ここ参照)。今回の伊豆アカイカは、いっちゃん美味しいアカイカ、すなわち標準和名ケンサキイカの話です。

イカ釣りの楽しさってたくさんあると思います。引き味も楽しいし、数釣る楽しみもある、そして食味も抜群。これらの楽しさを全部満たしてくれるのって、なかなかないです。たとえば、ソデイカはでかくて引き味は最高だけど、食べるとちょっと…、アオリの食味は抜群で引き味もベリーグッドなんですが、一荷で釣るイカではないです。ムギはたくさん付くけど、その分型はいまいち。まあ、すべてを求めるのは贅沢なんですが、伊豆アカイカの場合は、それぞれの楽しさで及第点に達しているイカ釣りじゃないかな、と思います、わたしが毎年のシーズンを楽しみにしているイカなんです。

 型がいいんだ

 登校前に嫌がる倅に持たせたのは前夜釣ったアカイカ。良型ですが、これよりさらに大きくなるイカです。このサイズであれば、乗った瞬間に竿先をグィーッと持ってきます。

 釣り場は伊豆諸島近辺。大島、新島、利島、三宅島まわりがアカイカのポイントになります。釣る方法は、伊豆半島の船宿から夕方出船して夜中に帰港する釣りと、新島に渡って島からの出船で釣るのがあります。私がよく利用するのは網代からの出船。ポイントは利島、大島、三宅島で、ポイントによって出船時間や料金が違ってきます。

 

 左写真:1.2kgのオスイカ。死後硬直中なので、身が固まってます。やっぱりイカは釣り上げたときにとらないと綺麗な写真にならないですね。

 

味が良いんだ

このイカの旨さは保障つき。身厚で、しかし硬すぎず、味は深いし、甘みも強い。イカの中ではアオリイカが断然に旨いですが、アカイカもそれに負けずとも劣らない旨さです。こんなイカが食べられるのはツリオヤジだけ。

特に、沖上がりまで活かしておいて、それを持ち帰った直後(深夜になるけど)に捌く刺身は最高です。まだ身が生きているため、包丁を引くたびにビクン!ビクンと身が収縮します。透明なみは新しすぎてちょっと硬いけど歯切れは悪くない、甘みが口の中に広がりますよ。もちろん1,2日寝かした身もねっとりして濃厚でグッド。

右写真:まだ産卵前なので身厚のアカイカ。大型はすべて♂です。網代のつちそう丸で利島沖の釣果。

 

仕掛けはスッテを使うブランコ仕掛け

仕掛けのスペックは、オモリ120号(100号の船もあり)、幹糸、枝素は各自差がでますが、私の場合は、枝素8号半ヒロ、幹糸12号1ヒロにしてます。ハリスの太さはあんまり関係ないと思います。太い方が捌きやすいため、こんくらいの太さを使ってます。

ツノはウキスッテが基本。これにアクセントとして魚型スッテやアオリ用の餌木を1,2本混ぜるのがいいです。日により効果抜群なのが、餌巻きスッテといわれる奴で、針金が付いていて魚(主にサメ)の切り身を巻きつけて使用するようになっています。大型狙いでは必須アイテムだと思います。

左写真:ウキスッテを中心に餌巻きスッテがアカイカの定番。餌木も大型に効果あり。

 

アカイカタックル考

アカイカに使う竿なんですが、昔も今も、ものの本には軟調長竿を使うという記述ばかりが目につきます。10年前ならともかく、今の時代に軟調長竿ばかり紹介されているのはなんだかなぁ、というのが私の意見。

以前は、駿河湾のヤリイカ釣りなどでも、コマセダイ用の竿を使って釣っていました。これはなんでかというと、船の流し方が相模湾のように群れを追いかけて投入、という方法ではなくて、瀬を流してヤリイカの群れとの遭遇を待つという釣り方だったからです。そおため、意図的な誘いは入れずに置き竿にして船の揺れでイカを乗せるというタックルでした。ここで紹介しているアカイカ釣りも、その釣り方を踏襲して、置き竿で釣っていました。

ところが、時代は変わっていまや駿河湾でも相模湾方式のきっちり誘って乗せる方式が主流になりつつあります。アカイカもしかり、置き竿で釣れないことはないけど、やはり相手はイカ、誘いを入れた方が乗ります。となると、長竿を使う意味は薄れます、誘いを入れるなら先調子あるいは7:3調子で胴のしっかりした竿でないと、スッテに意図した動きを与えられません。

以上の理由から、私が使う竿は2.4-2.7mの、いわゆる胴付竿というもの。この日は、海攻タチウオ240という竿を使いました。この竿はタチウオ用だけあって120号のオモリをしょわせて誘いをかけるのにうってつけ。もっと先調子のヤリイカ竿を使っても、アグレッシブな釣りが楽しめると思います。ぜひ、アカイカは置き竿の固定観念にとらわれず、先調子の竿を使って誘いの釣りをやってみてください。

誘い方はウキスッテを使っているので、通常のプラヅノとはちょっと違います。ツノ自体の浮力を利用する誘いが効果的です。つまり、枝素の長さ分(半ヒロ)誘い上げては止め、スッテに引っ張り上げる動きと、潮にふかされる動きを交互に与えるようにします。棚も広く誘い、イカの乗ったツノの位置で棚を調整するようにします。

アタリはふわふわと、イカがまさにツノを触っているようなアタリがでます。このアタリをとれるのが先調子竿の強み、マダイ竿だとこのアタリがとれません。イカが触ったら、聞くように竿先を上げて、スッテにテンションを与えます。このときに、イカがしっかりとツノに抱きつくわけです。これは、相模湾のマルイカでも一緒です。置き竿で釣れた、ではなく、誘いで釣ったのを目指せば、イカ釣りがさらに楽しくなることうけあいだと思いますよ!

2003/04/18 Yasuhiro Ii

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