1kmの深海から紅の巨魚が浮上 - 石廊崎沖のベニアコウ

沖釣り最深のターゲット

 ここ数年で、人気上昇中のベニアコウ釣り。1000mの水深を狙うのは、沖釣りの中でももっとも深い釣りになります。最初のトライは2003年9月13日でした。この日は、3人で仕立てて、2人が9kgベニ、しかも伊豆で初めてのベニを上げるという記念日でした。しかし、私だけ釣れなかった^^;、このときの模様は、ここのページに書いてあります。その後、ステージをメジャーポイント南房に移してリトライをするも、風で船が出ず…。今回は3度目の挑戦となりました。2004年3月20日宿は手石の龍宝丸。

 一流し目からいきなり一荷

 ポイントは石廊崎沖だけど、雨で周りが見えない状況の中、ミヨシから順に5人が投入。底立ちを取ってアタリをじっと待ってると、隣の田中氏にさっそくアタリがあったようで、糸を送ってるじゃあーりませんか。合図で巻き上げると、竿の曲がりが尋常じゃない。食ってる魚はあーだこーだと言ってるうちに、ボッカンと2本のベニアコウが浮きました、型もいかい(でかい)、9kgアンド7kg、これにはたまげた。このとき、私にもかすかなアタリがあって糸を送ってたんだけど、上がってきたのはオニヒゲ、それに針が1本とられてました。幹糸に粘着物があったんだけど、なんだろう?

←ベニアコウ9.5kg、43LのDaiwaトランク大将に曲がって入る大きさでした。

釣れてしまった、9.5kg

 2流し目、再びわたしにわずかなアタリ。こりゃまたオニヒゲか?巻き上げ初めても重みがない。また空振りかと思い、200mも巻き上げたところでリールを中速にしてデッキに入って、仲間と雑談。そろそろ仕掛けが上がる頃と席にもどると、糸が前にいってる…

 ぼっかりと赤い塊が浮いてきました。ま、まさかのベニアコウを釣った、いや釣れてしまった…^^;;。「げ、掛かってるとは思わんかった」との私に、隣のディープマスターは「なんだかなぁ…」と苦笑い。途中での引きとワクワク感は味わえなかったけど、なにはともあれ、初めてのベニアコウ。まあ、釣れればええんや^^;;。

 

 投入のたびに潮が速くなってくる。最後の流し、船長が「この潮じゃだめだ、上げて」の合図。しかし、この時に3人が食わせてました。一番すごかったのは田中さんの竿、1投めより重そう。しかし、これは痛恨のハリス切れ。掛かってたのは1尾だけなので、ベニアコウであれば10kgオーバーだったはず。そして、トモ2番目の釣り人もベニアコウを浮かして、船で4本目。最後のトリを飾ったのは、ディープマスター。リールが止まると腕組をしながら海面を見つめてます、この釣り慣れてるところがにくい^^;。思惑通りベニアコウを浮かせて、優終の美を飾ったところで、沖上がり。船で5本のベニアコウが上がりました。

← 私ら3人で4本。船では5人で5本でした、良型揃いというところに南伊豆の凄さを感じます。

美味であることがこの魚の魅力

 さて、家に帰ってからベニアコウを捌くのには気合がはいったのはいうまでもありません。なんせこの魚、美味な魚が揃う深場釣りの中でもトップクラスの美味。

← まずは上身を下ろします。頭を落とさなかったのは、最初に上身をとった方が刃をいれやすいため。

 前回の釣行では私だけボウズで、田中氏から半身をもらて、嬉しいやら悔しいやらの料理で、その美味は十分に知っていたんだけど、今回はまるごと一尾なんで、あんな料理もこんな料理も自由自在(^^)。

まず、頭とカマは煮付け、脂がこってりと浮いて、特に頬肉と目、唇は絶品でした。ここは煮るのが一番。中骨は味噌汁に。出しを取ってから身をそげ落として鍋に戻し、最後に味噌を加えます。出しが抜群に濃くとれて、最高の味噌汁ができました。そして、身は空揚げに。鶏肉のような食感だけど、味は魚、空揚げはヒットでした。さらに薄く削いで刺身、ちょっと硬いんだけど、旨みは抜群。残りの身は定番通りに煮付けで食べる予定です。2日食べまくっても、まだまだ十分に残っています。

← 三枚に下ろして、頭を割ったところ。

 左の写真は浮き袋。普通の魚の浮き袋は中空で、風船みたいな感じなんだけど、ベニアコウの場合はウレタンが中に詰まっているような感じです。1000mの水圧に耐えるための浮き袋か?


 いつもの記念写真、今回は娘は持ちきれない、息子は持つのをびびったために、隣から私が指タレで出演してます^^;。

ディープマスターにはひたすら感謝

 最後に付け加えねばならないのは、昨年からこの釣りに誘ってくれて、釣り方に関するアドバイスをしてくれたディープマスターへの感謝です。ベニアコウはいつかは釣りたいと思っていて、いずれ行くつもりではあったのだけど、なかなか踏ん切りの付かないところを誘ってもらい、しかも南伊豆の新規開拓ポイントに釣れていってくれたことで、実釣行2度目で良型のベニアコウを手にすることができました。一人で釣行プランを立ててたなら、この魚は釣れていなかったと思います。
  ディープマスターこと、岡本光央氏に深く感謝いたします_o_。

後日談:この日の模様は、ここのページにも乗ってるよー。「貴方のでしょっ!!」にはわろーたわろーた^^;。

2004.03.24 Yasuhiro Ii

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