真冬の海の極上の食味 ヒラメ

 浦島太郎が竜宮城に招待されたときに、タイやヒラメの舞踊りの接待を受けた歴史(?)からもわかるように、ヒラメはタイと並ぶ高級魚。特に天然ものを料理屋で口にするとそれなりの出費を覚悟しないといけません。私の場合、なぜかヒラメ釣りの回数が少ないんですよね。タイはかなり、というか一番回数多いんだけど、ヒラメは年に一度いくかどうか。イワシをなかなか食い込まないところがじれったいというか、性格的にアタリがあったらバシコンアワセの釣りが好きなせいもあり、ヒラメやマゴチ、スズキのような食いこませ系の釣りの回数が少ないです(青物泳がせはかっぽっとくだけなのでOK^^;)。とはいえ、ヒラメの食味は抜群、たまにはいかないと。

←御宿沖での2.8kg

 ヒラメは茨城、外房、三浦、相模湾、伊豆とどこでも乗合が出ている人気の釣り物です。中でもメジャーなのは茨城〜外川〜大原までの地区かな。次いで、御宿、勝浦、伊戸、洲崎などの外房〜南房地区。隠れファンが多いのが網代、沼津などの東西伊豆と南房でしょうか。仕掛けや流し方も地区によって微妙に違います 。

 今回乗せてもらったのは御宿岩和田の太平丸。 カモシでは何度も乗せてもらっている船宿なんだけど、ヒラメは初めて。御宿沖の特徴は、特に年明けの時期に大判ヒラメの期待が高いこと。これは、イワシの群れが南下してきて、それに伴いヒラメも活発に餌を追うということがあります。この時期のヒラメは一発大型の期待が高いわけです。

 餌には中羽の手ごろなサイズが用意されています。これは大原と同じく、朝の出船前に港に餌屋さんがきて各船に配送しています。ここの仕掛けは「ハリス > 捨糸」になります。外川のように砂地を大流しする場合には、捨て糸の方が長くなりますが、オモリを浮かせてアタリがあっても送り込まずに食い込みを待つこの辺りでは、泳がせ釣りのスタンダードスタイルとも言える、捨て糸が短い仕掛けを使います。オモリは80号、潮と風によって変わりますが、基本は横流し。

 で、2月8日にいったときに、2流し目でいきなりズドンときたのが写真の2.8kg、ヒラメ40もなんもなくて、いきなりひったくられました^^;。こういう食いもあります。2枚目は1.2kgこれは教科書通りに、最初のアタックを見送って、ギューッと引き込んだところで合わせて針ガカリさせました。ヒラメは活性によって、あるいは個体によって食い込み方が違います。ここらへんがマニアには面白いところなんだろうけど、わしゃじれったい^^;。

 外道にはマトウダイが混じります、これが良型。他の人には2kg級のマハタや50cm位のホウボウなど、食べて美味しい魚が混じってました。ここらへんが活きイワシ餌の強いところでしょうか。

 食べて美味しいといえば、ヒラメはこれを抜きにして語れないのが「エンガワ」。右の写真は一枚のヒラメからとった4本のエンガワです。出刃は六寸あるんで、そのサイズがわかると思います。これだけで、通常の刺身皿に一盛りの刺身ができてしまいます。ということはエンガワだ けで酒の肴には十分すぎる量です(^^)

 あんまり行かない釣りだけに なかなか写真を撮るチャンスがないです。せっかくのチャンスなのでもうちょっと写真を乗せておきます。左は外道のマトウダイ。ヒラメと比べちゃかわいそうなんだけど、白身の淡白な身はムニエルやフライでなかなか美味しいです。

 右の写真は太平丸の大野船長が撮ってくれたもの。持ち方はいいんだけどちょっと傾いていたりします^^;。肉厚なので見た目よりも目方がありました。

 シーズンは長いヒラメ釣りですが、なかでも真冬の身厚の大型狙いは面白いです。一年後にまた行ってきます。

 

2004/2/8 Yasuhiro Ii

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