ハイブリッド塩辛を作ろう − これさえあれば、酒が進む進む!

みなはん、イカの塩辛はお好きですか? 私は好きです^^;。
思い起こせば子供の頃から、桃屋のイカの塩辛のCFを見つづけてきて、イカといえば塩辛だという刷り込みを受け、でもって沖釣りを始めて新鮮なイカが手に入って作ったらこれがまた旨い。以来、塩辛造りにハマって今日に至っております。というのは、半分ウソですが、それはともかく塩辛はうまい!そして楽しい。

おりしも今年はムギイカが好調、もうスルメも交じって肝ぱんぱん。スルメ釣りに塩辛造りにうってつけの季節です。ここでは塩辛のバリエーションを書いてみましょう。

4種類の塩辛

さて、「イカの塩辛」といえば、誰でもまっさきに思い浮かべるのはスルメイカ。塩で水出ししたスルメの肝に、細切りにした身を塩と一緒に漬け込んで、あとは寝かして出来上がり。たったこれだけの簡単料理です。この塩辛さとイカの風味が日本酒と抜群の相性。酒の飲みすぎ、肝の食べ過ぎで、脂肪肝になるはコレステロール値は上がるわというもんです^^;;。

で、このオーソドックスな塩辛の他にも塩辛の作り方はあるんです。まとめてみます。

↓名前→材料
赤造り
肝色
黒造り
墨造り
白造り

赤、黒、墨、白、の4種類。一般的なのは赤造りと呼ばれるもので、身と肝と塩から作るものです。これに墨を入れるのが黒造りで、肝と墨の風味が楽しめます。墨造りは肝は使わないもの、墨の風味が最も楽しめる方法です。白造りは塩辛というよりも塩漬けという感じかな、シンプルな味でイカの旨味を強調したい人向け。

以降、材料の吟味に入りましょう。あ、塩は食卓塩(NaClほぼ100%)は避けた方がいいと思う。一応ミネラル分が入った荒塩を使う方が美味しいです(というか食卓塩使ったことない^^;)。あたしゃ塩にはそれほどコダワリがないんで、○○の荒塩とか□□の天塩とか書いてある国産品のうち安いものを適当に選んで使ってます。

で、材料は一種類だけではなく、複数のイカを使った「ハイブリッド塩辛」がまた旨いんです。これこそ新鮮なイカを容易に手に入れられるツリオヤジのアドバンテージ。ぜひ、ハイブリッド塩辛造りにトライしてみて欲しいです。

肝はスルメイカに限る!

肝の選択ですが、これはスルメのぼってりした肝がベストだと思う。なによりも味が濃厚です。それに取り出しやすいし色もいい。胴長30cmくらいのスルメがあればうってつけです。

アオリイカの肝もでかいんですが、ちょっと水っぽいというのと、西瓜みたいな癖を感じる気がします。スミイカの肝はスルメがない時に代用品で使うこともありますが、スルメの肝には負けます。ヤリイカやアカイカ、マルイカの肝は細くて頼りないのでパス。

肝は閉眼亜目に限る、というわけで肝はスルメをイチオシ!

墨はスミイカに限る!

味の深さ、伸びのよさ、量の多さ、どれをとってもスミイカの墨が一番です。

スルメイカの墨はさらさらしててだめ、マルイカ、アオリイカはべっとりしすぎてこれもだめ。ヤリイカは量が少ないんで使いにくいです。

身はいろんなイカを使って楽しもう!

漬け込む身はなんでもいいです。それぞれのイカに個性があります。何種類も釣れた場合は、ごちゃまぜにして使うのも◎です。濃厚なスルメイカ、あっさりしたヤリイカ、甘みの強いマルイカ、アカイカ、硬いけど滋味溢れる史イカ、甘みと旨味のバランスが抜群のアオリイカ、どんなイカでも塩辛の身としては主役になります。

私のオススメの組み合わせとしては、3つ挙げてみます。これはあくまであたしの好みの一例ですから、みなはん色々試して好みのブレンド方法を見つけてくださいね(^^)。

スルメの肝、ヤリイカの身、スミイカの墨の黒造り
  墨をちょろっといれるだけでがらりと風味が変わります。スルメの肝とヤリイカの身の組み合わせが抜群。冬場のスミイカが手にはいった場合、ヤリイカを釣りにいって首尾よく外道のスルメイカが交じった場合に作ります。
アオリイカの身、スミイカの墨の墨造り
  これはほんまに旨いっす。是非機会あれば作ってみて欲しいっす。アオリの外道にスミイカを狙うのがポイントっす^^;。
スルメの肝、マルイカの身の赤造り
 

夏場のオススメはこれ。スルメにマルイカが交じれば文句ないんだけど、確実なのは別々に釣りにいきましょう^^;。とても上品な塩辛です。塩を薄くしといて2,3日で食べるのが最高。

作り方のポイント、あれこれ

まず、肝も身も水出ししておきましょう。塩をまんべんなく振り、キッチンタオルの上に置いて1,2時間ほど冷蔵庫で寝かせると、浸透圧の差により水分がでてきます。これにより肝は生臭みが抜け、身は締まります。こうして作る塩辛は粘度が高くなりますが、さらっとしたのが好みの人は、煮切り酒を加えるといいと思います。

肝はふんだんに使いましょう。肝についている皮は必ず取った方がいいです(見てくれがよくなる)。皮をとるには、たっぷりの肝を使って混ぜて、箸に掛かった皮を取り除くのが簡単です。

寝かせる期間はお好みでいいです。極端に言えば、作ってすぐに食べてもいいです。これだと「塩辛」というよりは「肝和え」になりますが、これはこれで旨いもんです。長く寝かせれば見はしんなりして味も複雑化した塩辛が楽しめます。特に墨造りの場合は熟成が遅いので、比較的薄めの塩で長期保存が利きます。

焼いた火箸で毎日かき混ぜる、という方法もありますが、毎日すこしずつ食べて味の変化を楽しむ場合にはこれはやった方がいいと思います。きっちり密閉して寝かせる場合は、特に毎日混ぜる必要はないかと思います。この場合は小瓶を使ってめいっぱい漬け込む方がよいでしょう。

隠し味を使うのが好きな人もいます、醤油とかウィスキーとかワインなどなど。まあ、これはお好みで。あたしの場合は、上記の材料以外を混ぜることはしません。盛り付けの際に柚子の皮を乗せるのは柑橘系の風味と合い、ワンランク上の酒の肴になります(^^)。

イカ以外の塩辛も酒が進む

カツオの塩辛である酒盗、タラの腸の塩辛、アユの内臓の塩辛であるウルカ、サケの腎臓の塩辛のめふん、イカ以外にもいろんな塩辛があって、これがまた日本酒に合いますね(^^)。美味しい塩辛の作り方をご存知の形は御一報ください。

 

2001/6/6 Yasuhiro Ii

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