比較的新しい釣り〜瀬ノ海の大カマス

干物で美味なカマス、でもツリオヤジは自分で釣ろう

 カマスと言えば干物ではあまりに有名。こんがり焼いたカマスの干物に熱々の味噌汁、海苔に香の物が並んだ朝食なんて、日本人に生まれて良かった〜、って思いますよね。食卓ではメジャーなカマスなんだけど、沖釣りでは比較的マイナーな釣りものに属すると思います。釣り場が限られている上に、季節も短い。以前には釣行レポートで一度だけ取り上げたことはあるのですが、取材にいって掲載される頃には釣期が終わってしまうという雑誌泣かせの釣りものでもあります。

カマス釣りあれこれ

 関東近辺のカマス釣りをまとめてみましょう。乗合で狙えるのは4箇所ほどあります。

(1) 烏帽子岩
 初夏にサビキ釣りで狙う小型カマス。15-20cmほどの、いわゆるクレヨンカマスがサビキに鈴なりになって数釣れます。束釣り、二束釣りもでるので、初心者には最適。水深は10m前後で、オモリも30-50号ほどです。

(2) 真鶴沖
 これも初夏ですが、烏帽子よりも遅い時期が多いです。手釣り糸に片テンビン、バケをかったくって釣るのが昔ながらのスタイル。型は中型中心。

(3) 金谷沖
 釣れる時期は短いですが、初夏にアジ釣りと両狙いをすることがあります。サイズは中サイズ。

(4) 瀬ノ海〜江ノ島沖
 このページで紹介するのはこれ。水深100-140mの深場を狙います。釣期は初冬、だいたい10月末くらいがスタートで11月いっぱいくらい。特徴は型がでかいこと、カマスの種類(後述)が本カマスということ、そして食味が抜群に良いことが挙げられます。カマスオヤジにとってはこの時期は外せないところです。 上の写真は最大40cmの本カマス(アカカマス)です。こんだけ釣れば食べるに十分なんだけど、絶好調時には30-40本釣れることもあります。 写真のカマスは、茅ヶ崎の「まごうの丸」での釣果です。

仕掛けの紹介

  この瀬ノ海のカマス釣り、実は比較的歴史は新しく、乗合で専門に狙い始めたのは6〜7年前だったように覚えています。以前からビシアジの仕掛けに食ってきて、水面でボチャンなんてことがよくありました。アジの細仕掛けではどうしてもハリスが歯で切られちゃうんですね。最初に専門に狙い出したのは大磯の船宿(確か恒丸だったと思う)で、当時は胴付き5本針で狙っていましたが、最近では3本針(幹糸1m、枝素50cm、ともに7-8号)に落ち着いています。 針はムツ針か丸海津かですが、私は丸海津が好みです。オモリは120号を使うので、タックルはイカ用が流用可能。あまり先調子よりも、少し胴に掛かる方がいいと思います。昨年まで私はシマノの海攻タチウオ240を使ってたのだけど、今年はもっといい竿みつけちゃった。シマノのベイゲームIIヤリイカ195という竿です。この竿、ヤリイカ竿なんだけど、胴がやっこくて^^;イカよりもオニカサゴ、アマダイ、タチウオなどに使いやすいです。これが大カマスにうってつけ。

アタリは微妙、取り込みは豪快

  餌はサバの短冊。船にも用意してあるけど、釣りの途中に釣れてくるサバを切り身にして餌にするとベター。やはり塩にしたサバよりも新鮮なサバの方がアピールも食い込みも良いです。 食いが活発ならば、アタリは竿先をガクガクと震わせますが、それ以外に魚が餌を咥えるもたれのアタリがあることがあります。これを取って合わせると、釣果は伸びます。
 とにかくアタリがあれば一度アワセを入れて、あとはガンガン巻いてやります。電動であれば高速、手巻きであればウィンチでガンガン巻いてよいです。これは余計に魚を遊ばせると、歯にハリスがあたって切れることがあるためです。海面にカマスが姿を見せたら、ゴボウ抜きにして一丁あがり。足の早い魚なんで、たっぷりの潮氷を用意しておいて、釣ったら直ぐにクーラーに入れてしまいましょう。

カマスの刺身なんてあるの?と言うなかれ

 カマスといえばやっぱり干物。干物にするには、左の写真のように頭を割らずに開きます。これが片袖開きで、カマスのように長い魚に適した開き方です。40cmの干物なんで焼くのも大変なんだけど、こいつを焼くと黄色 く脂が浮き出してきて…たまりまへん^^;;。
 この干物だけでもツリオヤジでよかったと思うんですが、実は刺身がこれまた旨いです。皮ぎしのとこが脂の乗りがよいんで、三枚に卸した後は皮を引かずに湯霜にします。 そしてそぎ造りに。これは当日のみの贅沢です。あとは塩焼、これも当日だとふっくらした柔らかい身に脂がじゅるじゅる、たまりませんわ^^。


アカカマスとヤマトカマス

 さて、釣りの対象になるカマスは2種類あるということを付記しておきます。 アカカマス(本カマス)とヤマトカマス(ミズカマス)です。背の模様も違うんですが、外形からの見分け方は、背びれと腹びれの位置関係。右の写真にあるように、アカカマスは背びれよりも腹びれが前に位置します。ヤマトカマスは、これが同じ位置にあります。ヤマトカマスの写真がないと比較しにくいですね^^;。味はアカカマスが上、ここで紹介しているのもアカカマスになります。

 私としては、毎年一度はいっておきたいのが、この大カマス釣りです。年によっては12月まで続くこともあるし、すぐに終わってしまうこともありました。今の時期(11月)はこの釣りのベストシーズンです。

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2003.11.09 Yasuhiro Ii

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