新島の大型キンメ釣り - 下田須崎 稲荷丸

 キンメの釣場は数多いけど、型数揃って味も良いとなると、新島の漁場がなんといってもメジャー。今シーズンはまだ行ってなかったこともあり、ディープマスターのTERUさんがトウチュウの取材で行くというので、一も二もなく行くの返事をしました。宿は須崎の稲荷丸。青物狙いが大看板の宿で、この時期はメダイの出船機会が多いけど、実はキンメは隠れた得意種目。好天、凪の海を新島に向かいます。

  水深は480m、深くなっていくからどんどん糸を伸ばして、というのが船長の指示。しかし、第一投は、伸ばし方を間違えて空振り^^;;。TERUさんは最初から4点掛け、これがまたでかい!この日の最大は2.5kgありました。

 2投めは、釣り方を修正、オモリが急斜面を落ちていくことをイメージしながら、糸をだしては底取りの繰り返し。すると、竿先にガクガクッとキンメのアタリが到来。ここで素早く糸を送り、またアタリを待つとアタリが再度到来(^^)、この繰り返しでどんどん糸を伸ばします。 トモから順に巻き上げの合図で、慎重に巻いて取り込んだのは写真の良型キンメの7点掛け。型は1-2kgで、これだけで10kgオーバーの釣果。これでキンメ料理はバッチリ。

 3投めは3尾、4投めも3尾と順調に数は伸びていきます。なによりも、竿先をガクガクと震わせるキンメのアタリ、巻き上げ途中にときおりバタバタと竿先を震わす引きと、深場釣りの楽しいワクワクモードが毎回あじわえています。

 取り込みは抜き上げてもいいけど、針から外れたためにタモのアシストは必要。この日も2枚ほど落としてしまいました。

 左の写真はTERUさんの取り込みを、井口さんがアシストしているとこ、写真だと小さく見えるけど、このキンメもでかいです。   4投を終えて、43Lのクーラーはほぼ満杯。それが右の写真。2kg前後の良型が揃っています。

 キンメは釣り上げた瞬間は腹が白いですが、死ぬと全身が真っ赤になります。右の写真で、色の違いがわかるでしょうか?上に乗っている3枚はまだ生きている状態です。

  さて、この日のハイライトシーンは5投め。ひときわ大きなアタリがきて、糸をどんどん送ります。巻き上げで根おこししてオモリを切っても、重量感たっぷり。これはキンメが相当付いたかな?と期待したけど、仕掛を手繰るとキンメは1尾しか付いていない。しかし、仕掛の回収が終わる頃、目の前にボカン!と浮きまいた。船長から「ムツだ!」の声。一番下の針に付いていたのは、むちゃくちゃ嬉しい外道の4.0kgクロムツ、もう笑いが止まらなかったです(^^;)。  

 キンメの餌はイカ短なんですが、下の針数本には、抱き合わせで身餌をつけていました。冷凍のソウダガツオを持ち込んで船上で切り身にして付けた針に、クロムツが食ってきました。

  クロムツ4.0kgは私にとってはレコードサイズ。約10年前に沖ノ瀬で3.3kgのクロムツを上げて以来、ひさしぶりの大ムツでした。大キンメも嬉しいけど、クロムツはもっと嬉しい(^^)。

  針の掛かりどころを見ると、これがまた良いところにかかっています。この場所なら、どんなに歯が鋭い魚でも、ハリスが切られることはないです。いやぁ、この日はツイていました(^^)。

  ***

 6投めには4点掛け、もうクーラーに入らないので、TERUさんのイグロー大型クーラーに魚入れさせてもらうという状態。

 7投めは、モゾモゾっとした小さなアタリに、半信半疑で送り混むと、ソコダラの3点掛けにカラスザメ。最初と最後の投入が空振りだったけど、すべて多点掛けで、キンメは18枚、最大は2.2kgという好釣果でフィニッシュ。ちなみに、2.2kgのキンメも自己レコードでした(^^)。  

  この日のタックルは、ディープインパクトのプロスペックIに、CX-9Rの組み合わせ。しかし、プロスペックIは、ほんとによく働いてくれます。現在では明らかに私のNo.1ラッキーロッド。

 オモリは船で用意してくれる鉄筋。仕掛は20本針で、捨て糸を6ヒロと長くとるのが稲荷丸の特徴。これは根の険しいところを攻めるため。オモリは根ガカリさせても、針は根の上にある状態にするためだと思います。

 この日の投入はミヨシからで、巻き上げはトモからだったけど、これは潮具合によって変わるので、船長が随時指示してくれます。

 というわけで、大満足の釣果で沖上がり。43Lクーラーは満杯、見事なキンメとクロムツが横たわっています(^^)。ちなみに、この中に入っているキンメは12/18尾。

 良い日は30オーバーの釣果もでますが、このサイズはツ抜けすれば万々歳でしょう。

  右写真は今回乗った稲荷丸の遠征船。もう一隻乗合がでていて、この日はメダイに行ってました。キャビンにはベッドがあるんで、行き帰りは楽々(とはいっても、須崎から新島キンメポイントはそう時間は掛からないですが)。

 連休の中日、帰りの行楽渋滞もなんのそので、実家と近所のツリオヤジの家に寄って、魚をおすそわけして、帰宅したのは21時。でも、釣れた日はぜんぜん疲れないから不思議なものです^^;。

***

  さて、翌日はじっくり時間を掛けて捌いて料理。胃袋の中を調べると、まずでてきたのは左の写真の細長い魚。長さ30cmほどで、ダツのような風体です。そして、右の写真のエビもでてきました。他にイワシがでてくることもあります。こんな餌を食っているせいか、新島のキンメは脂の乗りが抜群。トロキンメとか、地キンメとか呼ばれて貴重品扱いされるブランドフィッシュです。

 キンメ料理は、生ではまず刺身、びっくり丼(飯と具の二層構造丼)、手巻き寿司。特に海苔との相性はびったりで、脂の旨みと海苔がよく合います。ヅケにして握ってもグッド。

 さらに、煮付け、ステーキ、潮汁と、料理ネタは尽きません。

 クロムツは産卵期で、巨大な白子を持っていました。これは煮付けにしたけど、とても食いきれる量ではなかったです。

 クロムツは柔らかで、かつ脂がぎとぎとに乗った身で、こってりと甘辛く煮付けるのが最高に旨いです。もちろん、刺身、ステーキにもうってつけ。

 美味な魚を存分に堪能できた春の連休でした。仕掛を作ってまたいこ。

おまけ:
掲載されたのは2005/3/29付けの東京中日スポーツでした。

おまけのおまけ:
トウチュウの仲田美歩さんから送ってもらった(^^)ムツ写真。



2005/03/20 Yasuhiro Ii

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