カットウ釣り、もっともテクニックの差がでる釣り…かもしれない

シンプルかつ、奥の深いフグ釣り

  小物釣りは腕の差がでやすい釣り、とはよく言われるんだけど、ではどんな釣りが腕の差がでるでしょうか?
 ハゼ?…たしかに。 シロギス?…うんうん。 カワハギ?…そうですね。 スミイカ?…こりゃ出るわ。 ウィリーハナダイ?…これも腕の差がでかい。
 上に挙げたのはいずれも初心者とヴェテランでは釣果に大きな開きがでます。そして、これらの釣りと同等、あるいはそれ以上にテクニカルな釣りが、ショウサイフグ釣りです。
 とはいっても、とっつきにくい釣りではありません。キスやハゼ釣りがそうであるように、シンプルで簡単な釣り。初めての人でも楽しむことができます。反面、たくさん釣るためには、工夫が必要で、奥はとても深い釣りです。では、そんなショウサイフグ釣りを紹介していきます。

写真左:沖上がりまで活かしておいたショウサイフグ。
写真右:フグの仕掛。左はカットウ仕掛。右は胴付き仕掛。

  2つの釣法 − カットウ釣りと食わせ釣り

 この釣りには2つの釣り方があります。ひとつはカットウ釣りと呼ばれる、3本イカリ針を使い、餌によってきたフグを掛ける釣り方。もうひとつは、胴付き仕掛にエビやオキアミなどの餌を付けた針を食わせる釣り方です。また、カットウの上に胴付き仕掛をつける場合もあります。

 フグ釣りはなんといってもカットウ釣りが有名で、カットウで狙うシーズンが一番長いです。春先から美味な白子をもったショウサイフグを狙うのはカットウ釣りで、冬場に深場に落ちたフグを狙うのが胴付き釣りというのが野毛屋のパターンです。ここではカットウ釣りをメインに紹介していきます。

写真左:フグ釣りの餌。大きいのがアマエビ(正確な名前忘れた^^;)、アカエビを使う場合もあります。右にあるのは御馴染みのオキアミ、食わせ釣り用の餌です。

専用竿も市販されているが、マゴチ竿でも代用可

まず、道具ですが、使うカットウは6〜10号と軽いです。オモリ負荷からいえば、シロギス竿で代用できます。しかし、フグの引きは強烈、シロギス竿だと折られることがあり、私はあまりお勧めしません。丈夫かつ、穂先が敏感で短めのマゴチ竿であれば代用可能です(例:幻波マゴチ210など)。注意すべきは、メーカー市販のフグ竿のほとんどが、大原のフグ用に調子を合わせていること。大原では25号のカットウを使うため、大原用にチューンされた竿は東京湾では使えません。私の知っている限りでは、2004年現在で市販されている東京湾専用竿は、アルファタックルの海人フグ150Liteくらいです。

リールは小型両軸に、PE2号を巻きます。スピニングでもいいんだけど、強烈な引きを見せるフグを巻き上げるには、わたしは両軸を勧めたいです。

写真右:私のタックル。竿は釣具屋「21世紀」のオリジナルロッド、2.1mで穂先が超やっこいです。リールはAmbassadeurの5501C3にパワーハンドル装備。私は右効きですが、この釣りは竿を右手で操作したいところです。
写真下:カットウ仕掛への餌の付けかた。エビは1尾掛け、腹に抜いた針を返して背に抜きます。竹岡式のシャクリダイの餌付けといっしょ。

 カットウ釣りは「しゃくり」が命

 釣り方は簡単。餌をつけた仕掛を海底につけて、しゃくる、こんだけです。フグが餌によってくれば、しゃくったときにカットウ針に引っかかり、一丁あがり。これだけの釣りです(^^)

 では、なんで釣果に差がでるのか?それはしゃくり方によって、フグの食いが全く違ってくるからです。一番悪いのは、引っ掛けてやろうとしゃかりきにしゃくること。カットウ釣りは、結果的にフグは引っかかって上がってきますが、けしてボラのギャング釣りのような引っ掛け釣りではありません。しゃくり方の良し悪しによって、アタリの数も、針カカリの確率も大きな差がつきます。

 季節と潮によっては、フグが餌をかじるアタリが穂先にわずかにでるときがあります。このときに、大きくしゃくると針ガカリしなかった場合にアタリが続きません。対して、僅かな幅で、軽くしゃくる場合は、一度めのシャクリで針ガカリしなかった場合も、アタリがまた続いてきます。これは、フグが餌についてきているということです。つまり、フグに餌を食わせる、かつ、針ガカリしない場合でも餌を追わせ続けるような、短い、ソフトなしゃくり方が、釣果を伸ばすことに繋がります。これは簡単に思えて意外に難しい、しゃくるインターバルや幅の微妙な差をその日のフグの活性にあわせることで、フグの餌の追い方が針ガカリの率が変化するのです。が、まずは20cmくらいの幅をイメージして、2,3秒に1度しゃくる間隔でやるのが良いでしょう。

 胴付き釣りは釣り人がアタリを出す

 対して、胴付き釣りは捨て糸を1mくらい長く取り、中層の餌を食わせる釣りです。この釣りがまたカットウとは違った面白さがあります。待っていたら、まず釣れない。フグはカワハギ以上に餌を取るのが上手いです。待っているだけでは跡形もなく餌がなくなってしまいます。仕掛を緩め、そして張ることで、フグが餌を吸い込んだ瞬間のアタリを捕らえて合わせます。これも、フグの活性によって竿の操作のタイミングが違い、その巧拙で釣果に差がでます。これが面白くて、真冬のフグ釣りに通う人も多いです。

写真左:野毛屋のフグ船(きよし丸の船上から撮影)

そして食味はなんてったって、フグなんです

 フグといえば、高級料理の代表食材。まあ、巷の料理屋で出されるのは(養殖の)トラフグがほとんどなんですが、ショウサイフグにはショウサイフグの旨さがあります。魚の中では、超繊細な白身。言わば超上品な味。薄造りの刺身、タタキ、鮨、空揚げ、天ぷら、鍋は定番料理。洋風にポアレしてから白ワインで香りつけしても◎。中華風は…やったことない^^;けど、きっと合うでしょう。韓国風に鍋にしてもいいけどちょともったないかな?そんなこんなで、食味は抜群、おまけに捌きやすいときています。

で、ここで大事なことですが、フグは毒があります。どこに毒があるかはここではあえて書きません^^;。わからない人は自分で捌くのはやめた方が無難です。野毛屋では沖上がり後に船長が捌いてくれるので、遠慮なく頼みましょう。

写真左:活きたフグを船上で捌いて身欠きにしたもの。慣れた人は帰り道に自分で捌いてしまいます。捌き方は覚えれば簡単。内臓などの廃棄は船長の指示に従ってください。

 このフグ釣り乗合を周年だしているのは、野毛屋のダブル若船長の一人、黒川健太郎船長(写真はここ、ワラサ浮気時代です(笑))。HPのコメントが面白いので、当日のコメントをまた引用しておきます。

歌を歌いながらルンルンで走り現着♪)^o^(♪1発目は大群れ反応バッチリでポンポンポ〜ンと連発ヒットからポツポツと釣れました。その後は…反応に当てると鯵だったり、空振りだったり、本命ポツポツ、だったりでフラフラ走り丸(*_*)帰り際は超大群れフグ反応発見!!!しかし…超逃げ足が速く追っかけ釣りで、超悔しい思いをしました(T_T)慣れないお客さんが多かったけど、みんな頑張ってくれたのでご覧の釣果ではなまるです(*^_^*)明日もいい陽気みたいだし、桜島パワーで気合入れて頑張ります!!!まだまだ何万匹のフグ族がいます★大釣りの可能性アリなので是非是非遊びに来てください。宜しくお願いします。★けん★

写真左:他の釣り人に混じったアカメ(ヒガンフグ)。ツリオヤジはアカメフグとヒガンフグをいっしょくたにアカメと呼ぶ場合が多いですが、どちらもショウサイとは違った美味。これを釣った人はうらやましい。

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2004/11/20 Yasuhiro Ii

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