健流カットウ
古き皮袋に新しき酒 〜 遊び心を取り入れた新デザイン |
野毛屋スタイルのカットウ仕掛けは、中通しオモリに凧糸を通して針を固定しただけで、糸の遊びと針の交換を用意にしている。シンプルながら実に合理的な仕掛けだ。考案したのは、野毛屋の初代船長の黒川忠治氏。3代目の黒川健太郎船長は、野毛屋スタイルを継承したまま、新しいデザインを取り入れた。これが健流カットウ
だ。その特徴を紹介していきます。
オールシーズン対応のカラーは10色が発売 |
選択された6色の意図は次の3点だ。
・ 健太郎船長が使って実績のあること
・ 他では使っていあに色であること
・ 東京湾フグでの必要十分な色をカバーすること
特にクラックカラーの4タイプは中オモリのカラーとしては史上初。下地カラーの上にクラックカラーを塗ることで割れ目模様を呈するが、下地の乾き具合、上塗りの量によってひとつひとつ模様が異なる。つまり、世界でひとつだけの花ならぬカットウ、になるわけだ。思わぬアタリオモリも出現するかもしれない遊び心を持っている。
どの色がどんなケースに適しているか、を決めるのは困難。潮の明るさの他にフグの活性も重要なパラメータになる。澄み潮にはナチュラル、濁り潮にはアピール、というのもひとつの例に過ぎない。自分自身の経験と勘でその日のヒットカラーを見つけて欲しい。
カットウ糸に付いている3つの夜光玉はエビの目玉のメタファだ。光を抑えた色をセレクトしてある。
そしてカットウは赤針。従来のカットウ針には無かったカラー。これも遊び心が盛り込まれている。
上写真: 初期モデルの6色。イエローレッド、ホワイトレッド、レッドホワイト、ブルーホワイト、メタルブルー、パールホワイト。
左写真: 追加4色は、10末発売で東京湾フグの餌をイメージしたセレクト。ブラックレッド、ゴールドブラックは、カラス貝や海苔を、ホワイトオレンジ
は尼エビ、夜光グリーンは、さらにアピール度をアップ。これで健流カットウはトータル10色のラインナップになった。
健流カットウ メンテナンス1 〜 ハリス/針の交換 |
カットウ針とオモリをつなぐハリスは消耗品。フグに齧られて傷が付いたり、長く使っているうちに糸癖がついたりする。
糸癖は引っ張ればある程度は直るが、やはりたまには新しいハリスに交換したいもの。
ここでは健流カットウのハリス交換手順を説明する。
右写真は一日フルに使った健流のカットウ。釣ったフグは10尾程度だが、それでもハリスには細かい傷が付いている。
健流カットウは、ハリスをきつく縛らずに固定している。このため、糸を押してやれば左の写真のようにハリスが緩んで、解くことができる。
健流カットウは2つのコンポーネントから構成されていることがわかる。 ひとつは、ナツメオモリと凧糸、もうひとつはカットウ針と餌針をハリスで結んだものだ。
この構成はハリス交換を容易にしている。クラックカラーのオモリの再利用も可能だ。
なによりも良いのはシンプルなこと、サルカンを使わないことは、金属の光沢を嫌うと言われているショウサイフグに対しても警戒心を与えない効果がある。
夜光玉やビーズのアクセサリはお好みで付ければよい。色や大きさ、数を変えれば、カットウにオリジナリティを出せるのも楽しい。 ただし夜光玉の付け過ぎは食いが落ちるので注意、3つが上限だろう。
ハリスは透明ナイロンの10号がスタンダード。フロロカーボンを使うのも良いだろう。
カットウオモリから出ている凧糸の輪の部分にハリスを通してから一回転して軽く締めればハリスと針の交換終了。
外したコンポーネントから、餌針、カットウ針、ビーズは取り外して再利用しよう。
健流カットウ メンテナンス2 〜 カットウ針の結び方 |
カットウの結び方は次の手順
@ 軽く結び目を作る
A ハリスをカットウの穴に通す
B ハリスを@の結び目に通す
C ハリスをたばねた結び目を作る
@〜Cまで終えたのが左の写真。
わかりやすくするために、遊びは多すぎるくらいにとっている。
遊びをださないようにしながら、徐々に糸を締めこんでいく。
最後にぎゅっと締めて完成。
小さい輪ができて、カットウ針が自由に動けるようになっているのがミソ。
ここにもサルカン類は使う必要なし。
健流カットウ メンテナンス3 〜 凧糸の交換 |
健流のもうひとつのコンポーネントはオモリと凧糸。実際には凧糸は半永久的に使えるので、交換することは滅多に必要にはならない。
しかし、最近よく見かけるカラーナツメオモリを使って、俺流のカットウを健流のスタイルで作ってみるのも面白いだろう。
用意するものは、ナツメオモリと凧糸。凧糸は100円ショップや手芸店などで売っている。この他に、オモリの穴に凧糸を通したり、結び目を作るときにリードするためのナイロン10号20cmほどがあればOK。
まずは、凧糸で輪を作る。結び方は単純結び。
輪の大きさは、大きすぎると凧糸の結び目が大きくなってカッコ悪いし、小さすぎると結び目を作れなくなってしまう。何個か作ってみて、輪の大きさに慣れよう。写真はちょうど良いサイズの凧糸の輪。
オモリの中に糸を通すのは、右の写真のようにナイロンをリード糸として使う。
結び目を少しずらす。これが健流カットウを作る際の大きなポイント。
ここで結び目をずらすことにより、後で針を通す穴を確保でき、なおかつ遊びが少ないカットウ仕掛ができあがる。
さらに単純結びでもうひとつ結び目を作る。このときにもナイロンのリード糸を使用する。
結び目をオモリに近い位置にこきあげながら締めていき、遊びをなくしてやる。
結び目を締めて完成。
写真のオモリは、右が道糸に接続側、左がカットウ、餌針に接続する側だ。左には結び目をずらして固定していることにより、餌針を通す輪ができていることがポイント。
ちょっと道糸側の輪が大きかったかなぁ...まあ、いいや^^;。