6.5kgの大鯛浮上 初島沖   宇佐美/富八丸 2006/05/13

自己レコード更新の6.5kg♀。傷や針跡もなくって綺麗な体、顔立ち、色をしています(^^)。
 私の個人的な定義なんですが、大鯛というのは6kg以上かなと思っています。6kg未満は良型、3kg未満は中型、キロ以下は小型、というようにマダイについては、自分の尺度で記事を書いています。

 4〜5kgのサイズはたまに釣れるのだけど、6kg以上のサイズはなかなか食ってくれませんでした。これまでビシマ釣りやカモシ釣りなどで、6kgオーバーのマダイを同乗者が釣るのを羨望の眼差しで見つめていたものです^^;。

 でもって、今回は私が主役になる番がきてくれました。先週の松輪でバラシ連発の"とほほな釣り"とは対極の"うししな釣り"でした(^^)。

R2PとOceaJiggerの組合せが、現在のお気に入りです。
 さて、舞台となったのは宇佐美の富八丸。つり丸の取材です。昨年も取材で伺ったのだけど、どつぼデーにハマってしまい没、再取材のタイミングを逃してしまいました。

 とても良い船宿なんで、ぜひ紙上で紹介したいしたいと思っていたのが、今回の取材で実現したわけです。

 集合は4:30、すでに木部高治船長は船の灯りをつけて準備中。荷物を受け取ってくれて、「今日は3人です。左のミヨシに入ってもらえますか」と指示。片舷に3人が並びました。

 富八丸は遠征にも行く大型船。それでもマダイのときはあえて10人しか乗せないそうです。しかし、10人も乗ることは滅多になし、好調に釣れているにも関わらず、連日1-3名です。これはひとえに、知名度のなさからきています。宇佐美のマダイ自体がマイナーで船宿も少なく、マスコミへの露出も少なく、インターネットでも目立った情報がありません。典型的な穴場ポイントかと思います。

一投めから上がった1.1kg。マダイ釣りは早いうちに顔みるとホッとします。
 木部船長に話を聞くと、いま食っているポイントは3箇所。東伊豆の初島海域は、熱海、網代、宇佐美の3港からくるマダイ船が攻めていますが、船数は少ないです。船長は初島の東側のポイントを選択、水深は60m前後の駆け上がりです。予報は午後から雨だったけど、釣場に着くころにはぽつぽつと落ちてきて、まもなく本降りとなりました。

 第一投。私のロッドはアルファタックルのブルークォーターR2P330、コマセダイ用ロッドとしてのひとつの完成形にある竿だと思います。デメリットは、キロ以下のサイズだと、竿が勝手に上げてしまうので釣り味の欠けること^^;。しかし、2kgを越えるサイズになるrと、釣り人が主導権を持って自在に魚をコントロールできる操作性を発揮してくれます。

26Lクーラーには入らない6.5kg。沖上がりまではコンテナに水を張って活かしておきました。
 リールは、このところABUではなくSIMANOのオシアジガー1500P。軽量なのでコマセを振る時の抜けがよくなるという理由からです。ドラグのスムースさはアンバサダには及ぶべくもないですが、高品質の良いリールです。

 仕掛けはハリス3号10m。プレーンなフロロカーボンを、船の上で6ヒロとってから矢引きをひとつとります。実際には10mよりわずかに長いかな。アクセサリは一切つけません、小細工なしの正統派ストロングスタイルで攻めます。針はマダイ針の8号。

 ビシはステン缶、テンビンは形状記憶合金のシンプルなタイプ、クッションは1mです。

富八丸では、ステン缶を貸し出してくれます。調整はバッチリで市販品と比べてコマセの出方がちょうど良いです。ロッドキーパーも備え付けなので、荷物と後片付けも楽々。
 船長の指示は、まずは底から12m。富八丸では、上からの棚指示と底からの棚指示と両方でます。これは魚の活性や流す場所などによって違います。

 私の置き竿にストンとアタリ。竿を手にしようとしたのと、船長が「当ったでしょ?」とアナウンスしたのは同時でした。竿を起こすと重みが伝わります、これは食べ頃サイズでしょう。時折ギュッ、ギュッと来る引きはロッドだけで簡単に交わせます。1.1kgの綺麗な♀でした。一投めから顔が見られて一安心。

 すぐに仕掛を入れて置き竿にすると、今度は隣の人が竿を曲げました。同級かなと見ていると、私の竿もストン。連続ヒットのダブルヒットです(^^)。

 今度はちょっと引きが良い。底でしばらく凌いで、ちょっとだけ糸を出してやってからは、引きを楽しんで浮かせます。2.1kgの♂でした。体は婚姻色に染まった、まさに乗っこみステータスのマダイでした。これでこの日は満足状態。

この日の釣果。6.5kg♀、2.2kg♂、2.1kg♂、1.1kg♀。船では3人で4,2,0枚でした。2.2kgは型見ずの人に持ち帰っていただきました。
 しかし、得てしてドラマはこういう好調なときにきます。その後しばらくは、餌がすっぱりと取られるけど針がかりせず、という状態から、海が悪くなってアタリが遠くなりました。ちょっとだれそうになってきた7時半、私の竿先に小さく、鋭いアタリがやってきました。

 竿を起こして、まずは品定め。この時の重さで、こいつはでかい、と感じました。竿を手にして、テンションをかけた最初のうちは相手は動きません。しかし、マダイであればこの後に最初の強烈な引きがきます。竿を立てて、高い位置でホールドして、突っ込みへの警戒態勢万全、ゆっくりとラインのテンションを高めます。

 そして突然、強烈な引きが到来しました。ドラグで糸をだしているのでは追いつかない。とっさにクラッチをフリーにしてスプールを指で押さえます。いわゆる指ドラグ。一気に5mほど糸が引き出されて、魚は止まりました。

 これで相手のレベルはわかった。最初の難関はクリアした。あとは、ミスさえしなければ、そして運がよければ(根ズレやサメなどの邪魔がなければ)、魚はとれるはずです。

富八丸。このサイズの大型船で3人だけ。1人だけで出船することも珍しくないです。良い船と親切な船長だけに、なんとか知名度が上がってもっとツリオヤジが乗ってくれるようになって欲しいです。胴の間で歩いているのが木部船長です。
 操舵室でこの様子を見ていた船長から「ゆっくりやってくださいね」のアナウンス。これを聞くと落ち着くんだよね(^^)。アイコンタクトで船長に大きさを伝えてからは、タイとのやりとりに集中します。

 浮かしては底に戻られ、の繰り返しが何度も何度も続きます。ここで根負けしたらダメ。常に魚にプレッシャーを掛け続けるのが肝要です。浮かせる距離が3m、5m,7mと徐々に伸びてきます。そして、ついに、相手 の底戻りパワーが弱まりました。ここまでくれば一安心。ここからは、無理して引っ張るというミスにだけ気をつけて上げればよいです。 期待に胸を膨らませながら魚をどんどんと浮かせます。

 ハリスを手にしたとき、スーッと糸が流れました。「浮くよーっ!」と声がでちゃった。5mほど前方の海面に、ゆらりと浮き上がった白い影はまさしく大鯛でした。船長に向けてガッツポーズ(^^)。

このやりとりのポイントは、つり丸の6/15号で紹介していますので、ぜひお読みください(^^)。

実はさりげなくカイワリが混じっています^^;。この他にもイシダイが定番外道。イナダやワラサの回遊もある場所です。
 その後も2.2kgを追加して、4枚でフィニッシュ。文句なしの釣りとなりました。実は午後船にも出ようとしていたんだけど、海が悪くて中止になりました^^;。海悪の中、よく大鯛を上げてくれたねと船長からお褒めの言葉をいただきました。

  富八丸はこのところ絶好調、翌日日曜日から木曜日まで、5回の出船機会で連続ボーズなし記録でした。マダイで連続ボーズなしはちょっと凄いです。最大は3.3kgだけど、大鯛のバラシは何度かありました。そして、これを書いている金曜日にはマダイボーズがでて0-4枚だったものの、これはイナダが邪魔したせい(イナダ4-7本)。今年、とても熱くなっている宇佐美の乗っこみマダイでした。今は間違いなくチャンスです。

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