復活!江戸前伝統の釣り、ブラクリで狙うアイナメ

鶴見・隠居屋 2007/01/02

 初釣りというと、以前は馴染みの宿に新年の挨拶がてら通っていたんだけど、2000年以降は取材の対象になってます。で、ここんとこ釣りもんが偏っていて、昨年は相模湾の解禁シロギス、その前の年も相模湾の解禁シロギス、さらにその前の年も相模湾の解禁シロギス、ということで、あたかも相模湾シロギス解禁担当になったかのよう^^;。

 忘年会の席で、「今年は違うの行きたい〜」と訴えたら、それが認められて、2007年の初釣りは鶴見の隠居屋さんに決まりました。

上写真: 正月に東京湾のアイナメを釣ったのはもう10年以上前のこと。こんだけ数と型が揃ったのは初めての経験。いやぁ、今年の魚影の濃さにはちょっとびっくりでした。

 隠居屋さんは戦前からアイナメ乗合を出している老舗です。好調でも、不調でもコアなアイナメフリークのために毎年乗合は出している。

 今シーズンもいつも通りに12月から開始したけど、釣れる釣れる。昔を知っている隠居屋三代目の関口則之船長は冷静に「いつもより湧きがいいねー」くらいだけど、ひさびさにこの好調さを見た私なんかワクワクドキドキ。すわ、東京湾のアイナメ完全復活か、なんて思っちゃう。

左写真: 船宿のブラクリ仕掛。左は3号、右は4号。この重さのオモリは、数ある沖釣りの中では最軽量。それだけダイレクトに魚の引きが楽しめます。しかも相手はアイナメさん、良型が掛かるともう興奮状態^^。

 初釣りということで、釣り人の出足もまずまず。ほとんどが常連さんで、中には小学校3年生の名人も(^^)。彼は年末にアイナメ17尾を上げたとのこと。

 7時半になり、鶴見川をゆっくり下って船は横浜沖へ。まずは本牧から幸浦の神奈川エリアで釣り開始。

 船はミヨシかトモのどちらかから接岸させます。ポイントは岸の際にある石やブロックの間。こういう障害物の隙間に、アイナメは潜んでいるわけですね。

左写真: アイナメの餌といえば、もう昔っからこいつに決まり、のイワイソメです。他にはアサリを使ったり、活きエビを使ったりするところもあるけど、やっぱりイワイソメがアイナメ釣りにはよく似合う。

 最初の場所は本牧の南の運河、夏はマゴチやスズキのポイント、で開始。ここは不発ですぐに移動。2流し目、軽くキャストした仕掛の糸フケをとったとたんに、午後ゴンッとアタリ(^^)。

 竿先を一瞬送り込んでから、それーっと合わせると、しっかり針ガカリ。ガン、ガンと首を振るアイナメの抵抗が快感。

 水面に顔をみせたのは良型のアイナメ。それっと一気にごぼう抜き。隣では船長がタモ持っててくれましたが^^;。

 初釣り1号、船中1号は35cmのアイナメでした。いやぁ、東京湾で彼(婚姻色になった男の子です)に会ったのは10年ぶりくらいだろうか、懐かしい懐かしい。

 そして、これを皮切りに船中あちこちで竿が曲がり始めます。ひょえー、写真撮るのが忙しい〜^^;。

左写真: アイナメの引き方はこんな感じ。首を大きく振って抵抗します、この引き味が面白いんだよね。口のところにあるブラクリが見えるでしょうか。

 とにかく釣れる釣れる。アイナメなんてツ抜けすれば十分な釣りなんだけど、この食いっぷりはこちらが戸惑っちゃうくらいです。型もよくって、デキ(当歳魚)はほとんど混じらない。40cm級も顔を出して、玉網もあちこちで入ります。

 席による釣果のばらつきは多いのは仕方ないところ。船を岸に寄せる関係上、岸に近い席がつりやすく、釣果も伸びる。胴の間だと、それなりに遠距離のキャストが必要なので、慣れていないと難しい。ミヨシ、トモ、右舷、左舷と、船長はなるべく均等な釣果になるように操船するけど、これも天気が良いから。今日は曇天、無風、このところの季節風も収まり、釣り日和でした。

左写真: 年末に17本上げた小学校3年生の中野くんも一生懸命釣っています。餌付けから取り込み、玉入れまで一人前にこなしてたのは立派。アイナメ釣りについても、熱く語ってくれました(^^)。この日はお父さんと合わせて20本くらいかな?

 そんなこんなで私の釣果は17本でクーラーほぼ一杯。この他にも、デキが6本釣れたけどリリースしちゃった。デキもから揚げで美味しいんで、わたしはリリースを推奨するわけではないけど、この日はグッドサイズのアイナメがたくさん釣れたので、デキを持って帰っても食べきれないという判断からリリースでした。

 船中釣果は1-35尾と、釣果に偏りがでちゃったけど、平均して10尾以上はいってたんじゃないかな、と思うくらいの釣れっぷりでした。

 詳しい模様や釣り方のポイントなどは、つり丸の2月1日号(1月15日発売)で書いていますので、そちらも御覧ください。

左写真: 腹の中からは小エビがでてきました。東京湾の浅場に餌が豊富になっていることを、アイナメの魚影復活が物語っているのかもしれません。

 17尾の釣果は正確には、アイナメが16尾にクジメが1尾です。アイナメとクジメはよく似ていて、側線の数が異なる(片側でアイナメ5本、クジメ1本)んだけど、尻尾の形状で見分けるのがわかりやすいです。色もクジメの方がちょっと暗褐色気味の傾向があるような気がします。味での見分けはつきません^^;。

左写真: 左のカーブなしっぽがクジメ、右のストレートなしっぽがアイナメ。

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