今年は好調、常陸の渡りダコ |
日立久慈・釣友丸 2007/01/13 |
マダコといえば、有名なのは江戸前のマダコ。しかし、大洗から日立にかけての海は、冬になると期間限定でマダコが連れ出します。これが、いわゆる「渡りダコ」。
三陸沖で育ったマダコは、産卵場所を求めて南下する。その通り道が、日立沖や大洗沖だ。そして、南で生まれた小ダコは真潮に乗って北上し、また三陸沖で成長するというのが通説。しかし、まだ謎が多いのが渡りダコの生態のようだ。
ともあれ、釣り人は大きなタコがテンヤに乗ったときの、ズッシーーーンンン!を楽しめればそれで良いのだ(^^)。
左写真: キロ半のマダコ。まだこの時期としては小型、当日の最大は2キロ半だった。
実は渡りダコ釣りは超がつく久しぶり。もう20年くらい前に大洗から出船した依頼だ。それ以降は東京湾のマダコは幾度となく通ったけど、常陸の渡りダコにはごぶさたしていた。
渡りダコも年によって好不調がある釣りだ。特に日立久慈からマダコが釣れるのは久しぶり、今年はひさびさの当り年だという。さっそくつり丸の取材で、日立久慈港の釣友丸(ちょうゆうまる)にお邪魔した。
左写真: 常陸のタコ釣りの餌はサンマ。赤いテンヤは船宿特性、根ガカリしにくい工夫がしてある。
さて、当地独自の餌はサンマ。マダコもイイダコと同様、白いものに興味があるという。東京湾ではイシガニの白さでアピールするが、ここではサンマの腹でアピールする。
結び方は、釣友丸はサンマの一尾掛け。以前におお荒井で乗ったときは、サンマを2つに切って、ヨコに結んだ。餌の付け方も船によって違う。道具は船宿で借りる、または買うのが無難だろう。
仕掛は異なれど、タコの釣り方は東京湾も日立沖も同じだ。テンヤを海底に沈めて、コトコトコトコトと小突き続ける。タコが乗ったら、じわりとした違和感が訪れるので、そこで1秒ほどためてから、グィッと合わせを入れてやる。
水深は30mほどと深い。この日は潮が動かず、タコの乗りはかなり渋い。それでも、ぽつぽつよマダコが上がってくるのは、やはり今年の魚影(タコ影)の濃さだ。
左写真: これは2キロオーバー。綺麗なマダコだ。
私のテンヤにも乗りが来た。じわーっとした重さが伝わり、2度ばかり確認のためにテンヤを小突く、タコが乗っている確信が得られた。腕を伸ばして、なるべく海面に近い糸を掴む。波で船が下がったところで、グィッと合わせる。
手にはズシン!という重みが伝わる、この瞬間がマダコ釣りでもっとも快感だ。上がってきたのは1キロのマダコだった。
この日は朝方はぽつぽつ、途中潮が止まって乗り渋り、午後になると潮が効いてきて活発に乗ってきた。
左写真: 釣友丸の前キャビン、窓に船名が書いてある。
早々に型を見られ、3杯のマダコを釣り上げた。これで十分、トータルで5キロ近い。
と、思っていたら、いつの間にかまわりは数を伸ばして、私は3杯でスソ、トップは9じ杯。
今シーズンの中では、今日はかなり悪い日、というのは大船長。しかしそれでも十分な釣果が得られるのが渡りダコの特徴である。
詳しい情報は、つり丸の2月15日号(2/1発売)で紹介します。
下写真:日立久慈港の釣友丸。2隻体制で、大船長と若船長とで出船している。この時期の乗合は、マダコ、ヒラメ、カサゴ、沖メバル、LTマダイ(エビタイ)だ。最初に予約した客の希望で釣りものが決まる。