このところ、新しい船宿がいくつか出来ていて気になっていた。そのひとつが、茅ヶ崎の海成丸。８月23日に開業したばかりの、できたてほやほやの船宿。

　どんな宿かなと興味津々だったとき、つり丸編集部から取材にいって欲しいとオーダーがきた。これは楽しみ。

　さて、海成丸は、茅ヶ崎港の僚船でカツオ、アジ船などの舵を握っていた、鈴木敦船長が独立した船だ。店の脇には片瀬にいた星野船長から贈られた大漁旗が飾ってあって、フレッシュな雰囲気です。

左写真：　この日はこんなキメジがぼこぼこ。

　船は一隻だけなので、基本は乗合出船(予約乗合)、仕立が入れば乗合はお休み、というパターン。で、乗合も基本的な釣りものは決めるけど、模様のよい釣りものがあったら、そっちを狙っちゃおうという臨機応変型。この日は、マダイ、イナダ狙いの取材をするつもりだったけど、どうもキメジ、カツオの模様が良さそう。そちらを狙いましょう、とは敦船長の判断。

左写真：　カツオもでかいの。

　この日の釣り人は６人。釣場は城ヶ島沖のパヤオ。船宿仕掛はハリス16号を4.5m。これにヒラマサ14号の針を結んである。10kgオーバーのキメジでもどんとこい仕様の仕掛です。

　釣場には茅ヶ崎の僚船の他に、長井や佐島、平塚の船がすでにいる。「もう型みた船もありますよ」とは敦船長。

右写真：太軸の針なので、オキアミは抜かずに針の軸に沿って曲げて付けた方が餌持ちが良い。

さて、いよいよ釣り開始。ビシは60号。サニービシのFLだ。私はあえて竿はイナダ用に持ってきたShortBlade2000を使う。この竿がキメジの引きに耐えられるかどうかを知りたかったので。

　さっそく食わせたのは貸し竿の釣り人。ぶっといキメジ、一番上の写真がそれ。次もまた貸し竿の人、２番目の写真のぶっといカツオ。あれれ？貸し竿の方が食うのかな？^^;;;

左写真：これまた大物。見守っているのは鈴木敦船長。しかし、この後、痛恨のスナップ破損でバレてしまいました。残念。

　その後も、流し替えてうまく反応に乗ると誰かの竿が曲がるってパターンが続く。相手がでかいだけにバラシもある。まわりの船はほとんどバラしてるんじゃないかと思うくらい、船長のボヤキが聞こえてくる^^;。

　海成丸は前半戦でキメジ、カツオを４本あげて、バラシは２回だったかな。

　しばらくアタリは遠くなった。ここで諦めて移動していく船が多数。しかし、海成丸は粘る。船長は口には出さなかったけど、全員に大物のキメジかカツオを釣らせたい、という気持ちが伝わってきます。

　その甲斐あって、１０時頃からアタリ再開。

左写真：　城ヶ島沖のパヤオ。この日は活きイワシのフカセ釣り船とコマセ船が混じってました。いまいち魚の浮きが悪いようで、コマセ船が有利だったかな？

　そして私にも待望のアタリ。ショートブレードは飴のようにぐにゃーっと曲げられる。でもへたらない、限界まで曲がってから、復元力を発揮。これならロッドは大丈夫、魚の引きを耐えてじわじわと浮かせる。

　浮いてきたのはキメジ、でかい。ハリスをがっちり掴んで寄せる。魚は円を描くように泳がせればOK、大きなマグロでもソーダガツオでもこれは一緒。頭がタモに入ったら、ハリスをゆるめてタモの中に魚を落とす、これで安心。

　船に上がったキメジは5.8kg、やったね！(^^)

左写真：　R134からみた船宿。ちょっと入口がわかりにくいですが、写真の左にある交通機動隊の信号から入って、おだか丸の脇の道を右に入ります。そこから10m進んで右を見れば、船宿が見えます。

　この後もまたアタリがあって、２本目のキメジは6.2kg。いやー、楽しい楽しい。

　けっきょく船ではキメジ４本、カツオ４本が上がって、今日の取材は大成功。

　詳しくは、つり丸の10/1号の釣行レポートで紹介します。

左写真：　出船は茅ヶ崎港のまん中、漁協の前になります。クーラーやバッグは軽トラで運んでくれます。

　マダイやイナダのことは頭から飛んでってしまったけど、この次の日はマダイもイナダも好調で、キロ前後のマダイが上がってました。

　予約乗合はこの日のような感じで、釣れてるものを無理なく狙って、楽しい一日にしよう、というのが船長のポリシーのようです。

　あ、忘れてた。女将さんの奈穂子さんも実は一級船舶を持つ立派な船長。たいていの日は一緒に船に乗り込み、お客さんや敦船長のフォローをしています。だから、女性が一人で乗っても、気兼ねすることなく釣りが楽しめると思うので、女性釣り師で青物釣りたい方、検討してみてください。

書きたいことはまだまだあるけど、ここらへんで^^；。とにもかくにも、将来楽しみな船宿の誕生だと思います。これからますますの発展を願っています。

左写真：　店の前で。左から奈穂子船長、敦船長、ひなのちゃん(3つ)。