私の使っている包丁をデジカメで写してみました。画像はクリックで拡大します。
#しかし、刃物の写真撮るのって難しいですね^^;。

まずは出刃包丁。魚をまるごと捌くツリオヤジには必需品。なにはなくともまず出刃だけは揃えたいところです。
写真上は東源正久の六寸出刃、下は木屋の五寸出刃。いずれも霞で、鋼は白鋼。
包丁屋(鍛冶屋さん)によって、微妙にフォルムが違うのがわかります。ここらの好みは人それぞれなので、まずは自分の手にフィットするような出刃を探してみましょう。

魚を三枚に下ろしてからは、刺身包丁の出番です。上の写真は柳刃包丁(正夫)。京都有次の一尺柳刃です。白鋼を使用した霞包丁で、出刃よりも鋼の部分の割合が多いことがわかると思います。
まずは、出刃と柳刃を揃えれば、釣りの対象になるほとんどの魚料理はOK!。以下はだんだんと趣味の世界に入ります^^;。

舟行と鯵切り。舟行は出刃と柳刃の中間的な形状です。これらの包丁を総称して相出刃と呼びます。写真上は築地正本の五寸五分の舟行で、マチが入っているのがマニア心をくすぐります(^^)。材質は青鋼、刃がつくまでに時間が掛かりますが、研ぎあげると切れ味は良いです。舟行はその名前の通り、漁師さんがこれ一本だけを船に持ち込んだことに由来し、漁師包丁と呼ぶものもあります。つまり、これ一本で最初から最後まで使ってしまおうという汎用的な包丁なんですね。捌く魚の量が少ないときには、私も手を抜いてこれ一本ですますことも多いです^^;。

かわいい出刃は「鯵切り」と呼ばれる小出刃。写真は杉本の三寸出刃です。ピンギス、豆鯵、めそっこ、ちびメゴチなどをてんぷら種にするには使いやすいです。小さいので研ぎもらくらく。

刺身包丁には柳刃以外にもあります。その写真がこれで「ふぐ引き」「たこ引き」と呼ばれるタイプです。

上のふぐ引きは一見、柳刃と区別がつけにくいですが、刃身がとても薄く作ってあります。弾力性に富むフグの身を透けるほど薄く造るための包丁です。写真は、築地有次の九寸本焼。地金を使わずに鋼だけで作った包丁です。研ぐのにはちょっと時間が掛かります。

下はたこ引き。切っ先が角張っているのが特徴です。丸まったタコの足をさばくのに、切っ先で傷をつけないことが名前の由来のようです。もともとは、関東のタコ引き、関西の正夫と使い分けされていたとの事ですが、今は地域による使い分けは少ないとの事です。写真は築地正本の九寸蛸引で、青鋼を使っています。これも刃身が薄くて軽いのと、研ぎやすいことが特徴で、女性が使うには柳刃よりもいいかもしれません。

片刃が主流の和包丁の中では、ちょっと珍しいタイプで、両刃出刃です。特徴としては、鯛のカブト割りのときに刃がまっすぐ進むメリットがあるのと、両刃で刃角が大きいため刃こぼれしにくいことが挙げられます。写真は木屋の五寸黒打両刃出刃。割込みと呼ばれる、地金の間に鋼を挟んで打ったものですが、鋼には青鋼を使ってあります。黒打ちは地金の部分に炭素を含ませ錆び防止の効果があります。魚の頭や骨を叩きまくるワイルドな用途に重宝する一本です。

以上、他にもたくさんのタイプの包丁がありますが、代表的なものを紹介してみました。あわせて砥石のページも御覧ください。

 

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