アオリ長竿FAQ

ここでは、メールでいただいた疑問や質問、あるいはご指摘の中から、長竿アオリ釣法の参考になりそうな情報をピックアップしています。なお、文体については、私の方で変えています。質問者の氏名等については公開しません。質問は随時募集中ですので、お気軽にどうぞ。

質問1 : わたしにはどう考えても長竿でしゃくって餌木が動くことが想像できません。竿が曲がって伸びてを繰り返しているだけで、餌木が動いていなんんじゃないでしょうか?

回答1: 私も長竿を使うと聞いたときの第一感は、「餌木がちゃんと動くんか?」というものでした。しかし、実際にやってみると、しっかり餌木は動いているんですね。

 餌木がしっかり動いていることは、糸が十分に引かれていることからわかります。右の図 をみてください。

 竿を水平状態やや下向きから、軽くしゃくって、竿をまげて、直ぐに元の位置まで下げてみてください。左の図のように、ガイド間に道糸のたるみが生じることが確認できます。このたるみの分が、実際 に引っ張られた道糸になるわけです。

 つまり、端からみているだけだと、竿が曲がって元に戻っているようにみえる、言い換えれば、竿が曲がっているだけのように見えますが、実際には穂先はちゃんと跳ね上がり、竿の弾力により道糸が引っ張られます。竿を戻したときには、引かれた道糸がたるみとなるわけです。

 これは、例え少ないしゃくり幅でもしっかりと確認できます。言い換えれば、一瞬のうちに道糸のたるみ分の長さの糸が引かれるわけですから、餌木にはメリハリのある動きとなって現われるわけです。

質問 2 : 長竿で餌木がよく動くのは理解できました。しかし、動きすぎでかえって乗らないということはありませんか?例えば、浅場の場合だと餌木が動きすぎてアオリがびっくりしてしまうとか。 

回答2: 長竿アオリは、2004年の秋から始まったものです。シーズン初期(10月頃)に、第二海堡まわりの浅場(10m+α)で釣っていた時期にも、長竿の釣り人は平均以上の釣果を上げていることを確認しています。ただし、秋のアオリは、小型中心です。この型だと、メリハリのある動きの餌木への反応はいいのかもしれません。

 では、5月以降の産卵期に、同じ浅場で長竿でビリビリしゃくりまくったらどうなるか?これは今の時点ではデータが不足しています。産卵期の超大型アオリが、激しすぎる餌木の動きに警戒心を持つかどうかは、今シーズンのある程度の答えがでるのではと思います。

 ただし、仮にビリビリしゃくると浅場のアオリが警戒するとしても、しゃくり加減を弱くしてやることによって、餌木の動きはコントロールできます。ビリビリしゃくって乗りが悪い場合は、フワリとしゃくれば済む話であると思います。短竿は長竿の動きを表現できませんが、逆に長竿は短竿の動きを表現できると思っています。

質問 3 : アオリ釣りは餌木の選択によって決まります。餌木の動きは二の次でしょう。 

回答3: 餌木の選択が重要だということは、私は否定できません。3年前にここで書いたように、私自身も餌木の選択はアオリ釣りの半分以上を占める重要さだと理解していました。そして餌木のローテーションにより、その日のアオリの気にいる餌木を探すというスタイルでした。

 しかし、私がとっておきの餌木をとっかえひっかえしても全然釣れないのに、まわりの長竿の人はぽんぽん乗せるのを目の前にして、自分の餌木選択眼(?)に完全に自信喪失しました。長竿の人は、どこでも売ってるピンクの餌木で、交換もしない。私は、長竿の人と同じ餌木も使ったし、同色系のとっておきの勝負餌木も繰り出しましたが、歯が立たず…。餌木のカラーよりも、餌木の動きだという考えにならざるを得ませんでした。

 餌木の色が重要だということは否定しません。もしかしたら、私の知らない餌木選択方法があり、それを使えば、長竿の中で短竿でしゃくっても、竿頭になれるのかもしれません。しかし、いまのところはその方法がわかりませんし、長竿に混じって餌木のチョイスだけで竿頭になった短竿の人にも会っていません。今後、餌木選択の達人に会うことができれば、餌木選択の重要性を再認識すると思います。

質問 4 : 雑誌や新聞で紹介されたの? 

回答4: 「つり丸」の2005年2月15日号(2月1日発売)で、拙稿ながら写真付きでアオリ長竿釣法の魅力を紹介しています。バックナンバー販売もありますので、ぜひ一読ください。

 東京中日スポーツ2月1日号でも、野毛屋の長竿アオリの紹介がされています。この記事はディープマスターのテル岡本氏のものです。偶然にも、つり丸とトウチュウで、2月1日に同時発表になりました。

 その後しばらくして、つり情報の3月1日号の記事内でも、長竿アオリについて触れられました(長井、小見山丸)。つり丸3月1日号のP115にJSY店長さんのコメントが紹介されています(^^)。

 また、インターネット上はどうかと言えば、Googleで「長竿 アオリ」で検索してみると、こんな感じで、あちこちで話題になっているようです(^^)。

 今後、各マスコミに登場する機会は増えると思います。もし、スポーツ新聞などの釣り欄で、長竿アオリの記事をみかけたら、私までご一報願えないでしょうか。 また、アオリ長竿の体験レポートをお寄せいただければ、このページでも紹介するようにします。今後の広まり具合にとても興味を持っています。

質問 5 : 「タックル解説」にある、道糸は太くないとダメという理由が理解できません。直進性を得ようとする力って何ですか?

回答5: これはアオリ長竿釣法に限った話ではなく、コマセシャクリ釣りでPE8号を使うということに関連する話になります。ちょっと詳しく説明してみます。

 まず、海の中には必ず潮の流れがあります。右の図をみてください。船は潮に乗って流れていきます。また、海の中も潮の流れがあるので、二枚潮でない限り、道糸は船の流れとほぼ同じ方向に流れます。このときに、潮流の速度が上層も下層もまったく同一であれば、道糸は直線になるのですが、自然の海では流れがまったく同じということはありません。温度の違い、密度の違い等で、上層と下層の潮速は微妙に違ってきます(経験上、下層の速度が遅いことが多いです)。 潮流の速度差により、道糸は右図のような撓み(たわみ)を生じます。対して、池や湖のような場所で、水流がまったく無い場合は、道糸は真下に沈み、直線状になります。
 この道糸のたわみが生じるということを頭に入れて、以下の内容を確認してください。

 右の図で、たわんだ道糸が引っ張られた場合の力の伝わり方を説明します。説明の都合上、単純化しているので、実際の海中の道糸のたわみ方とは違います。実際には、もっと複雑な形状かつ三次元のたわみが生じていると考えられます。
 たわんだ道糸を引っ張ると、力は2つの方向に分散されます。ひとつは実際にオモリを引っ張り上げる力、もうひとつは道糸を直線に戻そうとする力です。つまり、釣り人は道糸を1m引っ張ったつもりでも、実際にはオモリは1m動くわけではありません。糸が直線になろうとするため、実際にオモリが動くのは1mよりも短くなるわけです。

 次に、右図の各パラメータに影響を与える要因を挙げてみます。

パラメータ 影響を与える要因
道糸のたわみ 道糸の太さに比例
オモリの重量に反比例
しゃくり幅に比例
F2 道糸の太さに反比例
F1 Fa、F2に依存

 ここで注目して欲しいのは、太い道糸の場合、たわみは大きくでるが、直線に戻りにくい、ということです。細い道糸の場合は、一見道糸がまっすぐになっているようですが、ひっぱってもその力が道糸を直線にしようとする方向に働くため、期待したようにはオモリが動いていないことになります。これが、細い道糸がダメという理由です。

 もちろん、これらはすべてバランスが重要になります。極端に太い糸や、極端に軽いオモリの場合は、道糸のたるみが大きすぎて釣りにならなくなるでしょう。10号中オモリ+4寸餌木を使うアオリの場合は、道糸は3号(4号でも可)がベスト、そして80号のサニービシを使うコマセシャクリの場合はPE8号がベストというのは、野毛屋の黒川勇治船長の長い経験によって導き出された値です。

 余談になりますが、この道糸の太さのバランスが取り上げられるようになったきっかけは、アジの手ビシ釣りにあります。手ビシの釣り人はキュッと小さく振っただけでコマセカゴが空になる、しかしPEラインを使っている釣り人は竿をガンガン振ってもコマセがでないケースが見られることがありました。この原因は、道糸の太さにあると仮説を立て、それをコマセシャクリ釣りの道糸の太さで検証したのが、黒川勇治船長でした。いろいろ試した結果、PE8号がベストバランスで、特に深場狙いや、クロダイ狙いのときの小幅シャクリに、PE8号は段違いの効果を生みました。それまでは、PE4号ほどの道糸でコマセシャクリをやっていた人が多かったのですが、以来PE8号が野毛屋ウィリー船でのデフォルトラインになりました。

 この考え方は、特にカカリ釣りや船を根の上に固定し中層を狙う釣り方で効果がはっきりでます。これは道糸のたわみが大きいためです。アオリのように中層を狙い船を流す釣りでも効果がでます。しかし、シロギスのようにキャストして仕掛を引きずる釣りでは効果はありません。常にオモリを引っ張っているために、直線に戻す力が働かないためです。また、ヤリイカのようにオモリを少しでも速く落とすことが有利な釣りでは、太い道糸の場合はデメリットが多いです。なんでもかんでも糸を太くすれば良いというわけではありませんのでご注意ください。

 超蛇足^^;になりますが、本内容は、2002年につり丸紙上で概要を紹介したものです。

質問 6 : イカの締め方を教えてください。 

完璧に締めが決まったところ。鮮度保持にも墨封じにも野締めは効果的です。

 イカの急所は、目と目の間の少し胴寄りのところにあります。アイスピックやドライバなどを目と目の間から突き刺し、急所の神経を断ち切るようにします。

 うまく決まると写真のように、身がすーっと透明になります。ここでイカの足は透明になっていないことに注目してください。胴の部分のみが、神経を断ち切られ、仮死状態になっているのです。

 こうしておけば、クーラーの中での墨を吐きません。また、死後硬直までの時間が遅らせられる効果もあるので、家に帰ってから包丁の刃を入れると身がビクビクッと収縮する鮮度の良さも保てます。

 神経は2系統あるようで、半身ずつ色が変わります、つまり2回神経を断ち切らないといけません。

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