ビシマの海で手バネシャクリを堪能

8/27、大原の富士丸にいってきました。
え?と思うっしょ?富士丸といえば、いわずと知れたビシマが看板の宿。かたくなにビシマにコダワルのは二代目の坂下隆一船長&みち子はん。厳冬期を除けば常時ビシマ乗合を出している宿です。

でも、夏から秋の浅場釣りに限っては、フリースタイルでタイ釣りが楽しめることは意外に知られてないんですね。今回はビシマ船に乗ってのシャクリ釣りを楽しんできました。

大原沖、浅場のマダイ釣り

夏から秋にかけてのマダイ釣りの水深は20-30m。浅いっ!この水深だと、ビシマのハリスが10mだとして、さらに出て行くビシマ糸は10mくらい。もちろん、ビシマ釣りでやってもいいんですが、この水深なら手バネシャクリでも立て釣りでも鴨居式シャクリでも胴付仕掛けでもなんでもOKなんすね。

もともとビシマは速い潮、深い水深、さらには複雑な潮の中で正確に底立ちを取るために作られた道具。浅い水深でもいいけれど、たまには目先を替えてみるのも面白い(船長も竿でやってたりする^^;)もんです。

だもんで、今日は手バネでやってみました。特に大原では独自のスタイルで手バネを使います。もちろん、いつでもできるわけでもないですよ。ビシマはパラシュートアンカーでの流しのため、浅場、潮が速くないという条件がつきます。

朝のひと流しはビシマ釣りで

でも、やっぱ最初はビシマで釣りました^^;。なんでかってと、浅場とはいえ、朝まずめは大型食うし、その場合はビシマの方が私にとっては確実な釣り方なんですわ^^;;;。

この日は潮色よくアタリも好調。一投めから、グッとあたりがありました。軽いけど引きは小気味よい真鯛の引き。上がってきたのは400gの小型だけど、最初の型をみて安心するのはいつでも一緒(^^)。続いてぽんぽんと800gのグルメサイズを上げておみやげ確保。普段なら型をみるのに一苦労の釣りなんですが、この日はそれが嘘みたい。余裕綽々でビシマ道具を仕舞いました(^^)。

まずは竹岡式シャクリ

さて、他の釣り人も手バネ竿を出してます。なかにはビシマは使わずに手バネで通す人もいます。ここでは大原スタイルの手バネがあるんですが、まずは竹岡シャクリで開始。というのは、鯛の食いだけから見れば、竹岡式のブランコテンヤが有利、さらに秋鯛には頻繁にシャクリ動作を入れる方が効果的ではないかとの予測したためです。

竹岡式は船長が海面からの棚を常に指示してくれます。しかし、富士丸では最初に水深のアナウンスはありますが、それ以降はアナウンスなし(エンジンと共に魚探のスイッチを切るし^^;)。棚は自分で探らないといけません。

水深は20m。ということは13ヒロなんで、12ヒロ糸を出してやりました。後はしゃくりながら微調整してやります。餌取りが多ければ棚を上げる、少なければ下げる。しゃくったときにテンヤの重さを感じなければ棚を上げる。というように微調整をしながら釣ります。

テンヤと中オモリを放り投げ、糸が張ってから立っていくまでのステータスで、かなりアタリがでます。特にこれがハナダイに効果的。糸が馴染むのを待つ間に、キュンと引っ張ってくれます。25cm前後のハナダイが面白いように食ってきます。これは豆テンヤの効果でしょう。

ハナダイが食うのそのままの棚をキープしていると今度はマハタ。なんか棚が高いのか低いのかようわからん。まあ、釣れてるからいいや、このままにしとこ。

さて、真鯛食ってくり〜、としゃくりを繰り返すとしゃくった竿がズン!と止められました。うー、快感(^^)。一手、二手と締めるとグンと力強い抵抗。マダイの引きです。手で手繰るのはビシマもしゃくりも一緒。タイの引きを楽しみながらマダイを3枚。

何度かの流し替えの後、船長がぽんぽんとマダイ三連発。「いーさん、あにやってるの?棚違ってるんじゃないの?」 うん、たぶんその通り^^;。カブラをつけて水深を測ってみると、2ヒロも上だったわ^^;;。水深が浅くなってくのはいいんだけど、深くなってく場合にはその変化に追従できまへん。ここらが大原沖の竹岡式シャクリの限界かな。したら、次の手段に変更。

大原スタイルの手バネシャクリ

まず中オモリを外して、道糸とハリスをサルカンで接続。テンヤを外して8号のカブラをくっつける。中オモリがなく、竿と糸とカブラだけ、非常にシンプルな仕掛けです。これが大原スタイル。

水深が浅いため、8号のカブラを落とせば底がとれます。これから1ヒロほど上げてやってアタリを待ちます。ブランコテンヤではなくカブラを使うため、あまり大きなシャクリは糸ヨレの原因になるから、シャクリはゆっくりと、待ち時間を多くします。そして、水深の変化に対応するため、たまに底を確認します。いわば、鴨居式シャクリの手バネ版というところ。

仕掛けこそ違えど、アタリがあってからは竹岡式と全く一緒。竿を真上に立て、左手で糸をとり、右手左手で魚を締め上げて針を貫通させる。後はマダイのギュンギュンを楽しみながら上げる。

今日はなにをやってもうまくいきます。仕掛けを替えたらさっそく600gのマダイ。さらにハナダイもハタも食ってくる。イナダまで釣れちゃった^^;。

さて、まわりはというと、ずっとビシマで通していた釣り人は、2kgの良型をゲット。「やっぱしええ型のてえはビシマ有利かなー?」と思う間もなく、大原スタイル手バネの船長も同級をゲット。あわわ、わしにもそのサイズ、いや、あっと驚く10kgがきてくれー!^^;

大原スタイルで3枚を追釣して、残る期待はただひとつ!「竿を投げたい^^;」

このところ浅場で5kg、7kgが食っている。このサイズが食ってきたら竿投げ(まだやったことない^^;)ができるだろう。でかいのこいー!とシャクると、ズッシーン!と、まるで根ガカリのように竿が止められました。「おっしゃー!」と声を上げ、まわりの注目を集めやした。しかし、ほんまもんの根ガカリどした^^;;;;。

この日は魚の食いは好調、あちこちで、くったー、ばれたー、餌とられたー、の声が上がる楽しく明るい釣りになりました。

フリースタイルの釣りを満喫

結局この日の釣果はマダイが9枚(400-800g)、ハナダイが7枚、マハタ2尾、イナダ1本という好釣果。船では客4人でマダイ36枚(300g-2kg)、さらに船長が10枚以上釣ってます。いつもこういう日だといいなー^^;。

さて、普段はビシマ釣りをしている大原沖ですが、浅場を攻めているときはこのように自由なスタイルを選ぶことも可能です。今日はやらなかったけど、鴨居の立て釣り、あるいは30号の鋳込みテンビンを使って鴨居式シャクリも可能です。たまには大原沖で他地区の釣り方をして楽しむのもまた大原の魅力かな、と思います(^^)。面白いのでまたやろっと!

2001.8.29 Yasuhiro Ii

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